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非正規労働者の権利実現全国会議in名古屋に参加

 本日(4日)午後、名古屋駅前のウィンクあいちで開かれた「非正規労働者の権利実現全国会議in名古屋」に参加しました。

 司会を務めた水谷司法書士の事前の呼びかけを受け、豊橋派遣村実行委員とその知人とで車で名古屋に向かい、若干遅れて到着しました。この集会は、「震災と原発事故を受けて、これからの雇用のあり方を考える」と題して、80名余りが参加したのですが、私たちが会場に着いた時は、ちょうど、脇田滋代表幹事の開会挨拶を受けた後、JMIU愛知地方本部の平田執行委員長が報告されているところでした。ユニオンの仲間も数名参加していました。

 JMIUは5月22日の中外分会報告集会にユニオンの浅野事務局長が参加させていただきましたが(事務局長ブログ参照)、私たちのユニオンと同様に、ブラジル人・中国人・フィリピン人などの外国人労働者の問題にも取り組んでいて、震災後の休業手当不払い・解雇などの問題に直面しているそうです。特に、派遣元が派遣先に派遣単価引き下げを要求されたり、下請け会社が部品単価引き下げを要求されたり、というような状況の下では、会社側にもっぱら労働者側の要求を通そうとするだけでは単純にいかない難しさがあるということも伝わってきました。そこで行政側の問題にも対処していく必要も言われました。

 次にユニオンの酒井運営委員が報告しました。彼は震災にともなう休業についてのQ&Aのあいまいさも含め、行政への要請も行ないながら、労働者が「クビを切ってもらえない」と嘆くという倒錯したことにもなっている状況を変えていくためにがんばる決意をこめて発言しました。

 二人の報告を受け、質疑応答がありました。派遣元が新たな派遣先を探すことはないのか、生活保護申請はできないのか、などの質問や、当方の、職場の状況についての拙い報告などがされました。

 続いて和田肇名大教授の講演がありました。講演では、「大震災・原発事故と雇用問題」と題して、震災の影響が非正規労働者の雇い止め・被災地の失業拡大・学卒者の内定取り消し・休業手当の不払いなどをもたらしていることを明らかにしつつ、非正規雇用対策などを抜本的に進めていく必要が訴えられました。特に、名大職組の委員長もされているという立場で、公務員もまた厳しい状況に置かれていること、そして、正規・非正規の対立を煽る方向に持っていくのはおかしく、「ディーセントワーク」(人間らしい労働)を実現していく立場で組合こそががんばらないといけない、と強調されていたのには、私たちもがんばらないといけないという気にさせられました。

 講演を受け、パートや派遣社員として苦闘してきた経験を訴える発言が会場からあった後、休憩となりました。

 休憩後、裁判・行政交渉など闘いの支援が訴えられた後、「震災と原発事故を受けて、これからの雇用のあり方を考える」として、参加者の方々が次々と発言しました。被災地での雇用創出・過重労働・司法と企業の癒着・最低賃金制の問題・コスト軽減ばかりを追求する企業の問題・原発被曝労働・マスコミの問題・非正規労働の問題などが次々と提起され、今こそ働き方を見直し、企業だけでなく国の責任も問うような、広く深い闘いが問われることを、考えさせられました。

 次に特別報告として、村田浩治弁護士が、INAXメンテナンス事件最高裁判決について、当初労働組合とは無関係だと自分たちを考えていたカスタマー・エンジニアたちが、労働組合を結成し、拡大し、敗訴も経験しながらも、最後は自分たちの労働者性を認めさせる判決をかちとった経緯を報告されました。この闘いは同時に、労働組合の可能性の広がりも示したという意義があり、労働組合はさらに可能性を追求していくべきとも訴えられました。

 最後に、次回の非正規全国会議の集会開催地である札幌の弁護士の方があいさつし、反貧困ネットワークあいちの事務局長の樽井弁護士の、さらに運動を広げていこうという力強い閉会あいさつで、集会は終了しました。09年に結成したこの全国会議は、研究者・法律実務家などを中心にした全国組織として奮闘されていますが、今日の参加者は、反貧困ネットワークあいちの関係者も多く、幅広い方々が集まっていました。この集会の成功を基に、さらにがんばっていこうと思いました。

 


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コメント 2

豆

本日はお疲れ様でした。
ユニオンのスケジュールにのっていたので参加しましたが、どちらかというと、弁護士さんや学者さん中心の集まりという感じでしたね。ユニオンからの参加者も少なかったし。
当方、勉強にはなり、刺激も受けましたが、4時間の長丁場に疲れ果てました。
ああいう場でも臆せずに発言できる醤さんは、すごいといつもながら思います。
では、また。失礼しました。

by 豆 (2011-06-05 01:03) 

醤

 コメントありがとうございました。非正規全国会議は弁護士・学者中心の全国組織ではありますが、司会の水谷さんらが反貧困運動も熱心にされていることもあって、反貧困運動の関係者の方が多く集まり、それに比べて労働組合員の方の参加が少なかったようでもありました。
 労働組合が闘ううえで大いに参考にしたら良い内容だったと思いますが、非正規労働者の厳しい現実は、労働運動の中ではまだ課題になり切れていないということでもあるかもしれません。当方の発言も、愚痴めいているきらいもあり、正規社員=労働組合員や、反貧困運動と、どう連帯していくのか、ということは、大事な問題だと、改めて思いました。特に、この厳しい現状ですから、なおさらですね。でも、中日新聞にも掲載されたし、良かったのではないでしょうか。
by (2011-06-05 17:06) 

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