SSブログ

ユニオンの可能性

 本日(31日)の未明(2:15~3:45)、東海テレビで「さよならジパング~外国人技能実習生たちの告白~」というドキュメンタリー番組をやっていた。コミュニティユニオン東海ネットの一員である岐阜一般労組の甄凱(ケンカイ)さんを中心に活動している「外国人労働者救済支援センター」のシェルターでの外国人実習生の実態を取材したドキュメンタリーだった。ネットで調べると、2月9日の昼(13:25~14:55)に「たそがれジパング~外国人労働者たちの告白~」という番組をやったようで(タレントのLiLiCoさんがナレーターをやったそうだが)番組の概要は今回の番組と類似しており、この間のテレビ事情も考えると、おそらく今回は再編集した番組だったのだろうが、「たそがれ」から「さよなら」に至るのは、「さよならテレビ」という映画化されたドキュメンタリーにも絡めているのだろうか。いやまずは、「黄金の国ジパング」へのあこがれを抱いて来日して、「技能実習」の現場で給料の不当な収奪や労災の放置などひどい扱いを受け、シェルターに身を寄せながら会社と交渉を試みるが、偽装倒産に遭ったりして、在留資格とか将来の見通しとかも絡んで「さよなら」と帰国に追い込まれていくところを訴えたかったのだろう。ただ、私はむしろ、当事者とケンカイさんや北島委員長、監理団体の理事長、介在するブローカー、などの関係も描かれていたところが印象的で、少し離れてユニオンを見るとどうなんだろうか、と考えさせられた。


 本日(31日)の『朝日』朝刊に「ニュースワイド 働くってなんですか コロナショック4 個人加盟の労組今こそ頼りに」という記事が大きく掲載されている。個人加盟労組としてのユニオンについて好意的な記事なのだが、そこでも、有休に関してユニオンで交渉して待遇改善はしたが職場での人間関係が悪化し、解雇を受け入れた、という話が出てきた。当ユニオンの取り組んだ案件かどうか、当方は「少し離れて」いるので確言はできないのだが、こういう結果になることはユニオンの一運営委員としては残念に思う。この記事で「経営側と対等に話し合い問題を解決していくことは『理想論』だとみられがちだが、労組にできることはたくさんある。その役割が改めて重要になっている」と結ばれているように、ユニオンの重要性は前提にするとしてもなお、問題解決は単純にはいかないという難しさがある。「だからお前らは『理想論』だ」と経営側やら第三者やらがわめくのはあんたらに言われたくないよ、と思うとしても、ユニオンはなんでもできますよ、というわけにもいかない。もちろんこの記事にあるように、「行政は法律の範囲内でしか介入できない」ので、労働組合の権利を生かすという意味で当事者も最後にユニオンに駆け込んでくる、というケースが多いと思うのだが、ユニオンにも強さも弱さもあるので、当事者の願いをどれだけ実現できるかということでは、シンプルにはいかないところもある。そこをも、「少し離れて」見てみることも、大事ではあるだろう、とも思う。


 何か弁解じみたところもあるけれど、それでも、当ユニオンは本日、「休業補償・解雇・倒産電話相談ホットライン」、明日と明後日は「職場のいじめ・ハラスメントホットライン」(これは名古屋労災職業病研究会が連絡先になるが)に協力する。当事者はせっぱつまって相談してくる、そこを共有しないとだめではあるけれど、そのうえで可能性を探っていかないといけない。まあ、当事者としては、「少し離れて」他者と会話するだけで解決の手掛かりになるという場合もあり、そしてそれなりの対話をするのだから、そこにも可能性はあり、電話だけで解決しない場合、次の可能性を探ることになる、という訳だが。とはいえ、ユニオンとしては、当事者とユニオン、その他のもろもろの関係者、との関係を「少し離れて」見る余裕も持ちながら、何とかこの危機を打開していかないといけない。外国人が警告しているように、いずれ本当に「さよならジパング」と見捨てられ、切り捨てられるのは、今度は己れ自身ではないか、「理想論」だと冷笑している第三者ではいられないのではないか、そんなことも考えながら、ユニオンの可能性を探っていこう。

nice!(0)  コメント(0) 

碧海工機で団交

 昨日(28日)午前11時より、碧海工機(西尾市)団交を、西尾コンベンションホール(西尾駅前)で行いました。碧海工機は、私たちのユニオンの最大分会ですが、企業業績が悪化しているとして、分会員の半数規模が今月末で雇止めにされようとしています。

 委員長・三河支部の運営委員・該当する分会員ら、総勢20名規模の組合員が参加しての団交では、会社は500名規模の社員のうち外国人契約社員ばかり(ほとんどがブラジル人)を100名規模で雇止めにする、と言ってきました。非正規社員に犠牲を集中する姿勢はしかし、待遇改善を求め、有期雇用から無期雇用への転換を実現し、雇止めを受け入れられないと奮闘してきた分会にとっては、認められるものではありません。いやそもそも、今会社を辞めさせられれば、再就職の展望も立たない中で、生活は苦しくなり、将来の生活プランも崩れます。そればかりか、会社の保証する寮に住んでいる仲間は、寮から出る=住居を失う、という危険にもさらされます。500名規模の企業が、いきなりこのような境遇に、がんばってきた社員を、追い込んでいく、米中関係の悪化とか、コロナとかの影響によるいかんともしがたい事情だから、非正規だから、外国人(それも賃金が相対的に高いブラジル人)だから、それもやむを得ない、というのでは、納得できません。というので、ユニオンは、雇止めの撤回、また雇用調整助成金の活用、寮からの退去は居住権の侵害にあたるので認められない、などと訴えました。


 団交を通じ、またその後、会社側から一定の回答がありました。差支えがあるかわからないのでここでは詳細は述べませんが、ユニオンとしては、分会の拡大と団結の強化を図りつつ、対応していきたいと思います。

nice!(0)  コメント(0) 

NDS抗議行動、など

 27日(水)午前11時すぎから、当ユニオンは、団交を拒否して問題解決に誠意を示さないNDS株式会社(名古屋市中区)に対して、抗議行動を取り組みました。当事者の組合員や、支援にかけつけた愛知連帯ユニオンらの方々も含め、10数人が参加して成功しました。


 私たちはまず、午前11時過ぎに、鶴舞駅近くの、NDS株式会社の本社のあるビル前に集まり、応対した社員の方に対して、ビル前で抗議のための宣伝行動を行うことを通知したうえで、11時半から宣伝行動を開始しました。さる16日(土)午後、東海ネットあいち連絡会の会議があり、そこで東海ネットの県内団体同士の協力を再確認したことにふまえ、愛知連帯ユニオンも宣伝カーで街宣をしたり、ともにチラシを配布するというように協力してくださいました。宣伝行動は、当ユニオンののぼりを立て、「NDSは不当な雇い止めを撤回せよ!」と題し、この不当雇い止め事件について説明したチラシを配布しながら、当ユニオンの各参加者がリレートークを行う形で行い、途中で連帯ユニオンの方にも話してもらいました。


 この雇い止め事件とはどういう事件かというと、NTT西日本の子会社の契約社員だったAさんが、NTTの工事などを扱う通信設備大手で、名古屋に本社をもつNDSに、働いていた場所は変わらずに17年7月から移籍したのですが、その際に1年契約だが60歳まで雇用は保証するという説明を受けて同意したにもかかわらず、6月半ばに、次の更新は3カ月契約で、9月末での雇止めだ、と通告されました。Aさんは納得できず当ユニオンに加入して団交を行ったのですが、会社の説明はAさんの事実認識と全く異なり根拠薄弱なばかりか、雇止め通告の2か月前に傷病手当金請求を申し出たことを問題行動であるかに対応するなどというように、不当であるうえに、代理人弁護士任せにし、さらに団交拒否を今日まで続ける、という不誠実な対応です。Aさんは会社の不当な仕打ちに精神的にも打撃を受けながらも、解決を目指して、この抗議行動を行うことに同意し、自ら参加したのです。


 沿道は一昨日の全国での緊急事態宣言解除、昨日の県独自の緊急事態宣言解除も影響してか、人通りがやや増えており、正午にはビルからNDS社員も出てくるという中、チラシは受け取りは良く、この会社はひどいね、と声をかけてくる方もいました。そして、リレートークでは、団交に参加してきた委員長らがこの事件の概要を怒りを込めて紹介し、また愛知連帯ユニオンの方や、参加した組合員はそれぞれ、このコロナ危機で非正規労働者への不当な扱いがますます全国的に大問題になっている中で、大企業であるNDSが非正規労働者を簡単に切り捨てている問題性を訴えました。そしてとりわけ、当事者のAさんが、考え抜いた言葉で思いを込めて会社の誠実な対応を希望する旨を訴えたのは感動的でした。会社が、誠実な対応により問題解決の方向に転じ社会的責任も果たしてほしいと思います。


 1時間にわたって抗議行動を行って終了しましたが、その後引き続き、相談・団交、新聞社の取材、が予定されていました。筆者は別れ、現在、このブログ記事を書いており、また今日不参加だった三河支部長は明日の碧海工機の団交の準備を進めているでしょう。また、昨日、派遣会社マルサンとの団交を刈谷で行いましたが、会社側は仕事がない、となかなか厳しい団交だったとのことです。ユニオンみえの取り組みも今日の「NEWS23」で報道されそうで、他方、愛知労働局との面談も6月に入って実現しそうです。緊急事態宣言解除の会見の中で、安倍首相はトヨタ社長同様「百年に一度の危機」という言葉を使いましたが、だんだんこの言葉は耳になじんできてしまいました。恐ろしいことです。だから仕方ない、ではなく、自分が悪い、でもなく、SNSで足を引っ張り合うのでもなく、身近な人間を敵にして一時の憂さ晴らしをするのでもなく、何かに逃避するのでもなく、何とか、現実の中で、フォローしあいながら、がんばりましょう。


<追記>上記の「NEWS23」で、ユニオンみえが取り組んでいる外国人派遣労働者の雇止め問題が報道されました。外国人などの「派遣切り」(「コロナ切り」)が5月に急増し、その例として、ペルーやフィリピン国籍の労働者が、雇止めで家族の生活が大変になってユニオンに相談し、ユニオンが交渉や抗議行動に取り組んで打開を図っている姿を採りあげ、神部書記長が、都合良く利用したあげくに労働者の人生を簡単に切り捨てていくことへの怒りを込めて訴えてもいました。派遣会社との団交の様子も映しており、会社が雇止めに同意したとする書類は本人が言葉もわからないままサインしたものだと認めざるを得ず当面の補償を実現したことも報じていたのは珍しいと思われましたが、こういう例は当ユニオンでも繰り返されており、「またか」と思わざるを得ませんでした。こういうことが末端で起こっているのに、先端を行くとして、次のニュースではITを活用しての「スーパーシティー」構想だって!? 便利で安全な監視社会というのは、何かを犠牲にし、耐えさせる社会じゃないんですかね?


<追記2>上記での愛知労働局のとの面談は、東海ネットあいち連絡会と愛知労働局・愛知県交渉として、6月11日(木)午前10時より、愛知労働局にて行います。よろしくお願いします。


<追記3(21年4月)>上記のNDSの闘いは、その後、労働委員会でのあっせんが成立し、闘争終結に至りました。ご報告が遅れましたが、ご支援ありがとうございました。



 

nice!(0)  コメント(0) 

三河支部会議を開催

 本日(24日)午前11時から、前回と同じ公園で、屋外での三河支部会議を開催しました。前回以上の、40数名の参加者でした。特に、28日の午前11時から会社のある西尾で団交に臨もうとしている碧海工機分会の仲間が参加者の半数ほどを占めました。碧海分会の仲間のうち半数ほどの仲間が、5月末で雇止めにされようとしており、緊迫した中での会議となりました。また、三河支部の取り組みの時々に参加されているジャーナリストの安田浩一さんと、名古屋テレビの記者の方も来て、参加者に質問するなど熱心に取材してくださいました。


 会議は、参加者の自己紹介の後、このかんの三河支部の取り組みと今後の取り組みの概略を確認しました。そのうえで、各分会から順に発言してもらいました。その最初で碧海工機分会の仲間が、相次いで、外国人で契約社員だからとして切り捨てられようとしていることへの怒りや、会社の寮に入っている仲間もおり、住居までも失う危機にあることも訴えられました。次いでツルタテクノス分会(碧南市)の仲間が、仕事・生活・組合活動の面で不利益となる不当な配転をさせられようとしており、碧海分会の仲間の気持ちはよくわかる、と訴えました(5月13日に電話での交渉を行いました)。最後に浅賀井製作所(安城市)の仲間が、非正規社員として日本人の正社員と賃金の歴然とした格差をつけられているのは国籍差別だとして提訴してから、裁判開始は遅れているが、がんばるという決意を述べました。他にも、団交や裁判を取り組んできているヒサダ(安城市)分会、同様に契約社員として雇止めにされようとしている興和工業所(名古屋市)分会、18日に団交を行ったベルテック(刈谷市)の仲間など、さまざまな外国人が参加しており、連帯の意志を固めたうえで、最後にガンバローと日本式で掛け声をかけて終わりました。日本人は今回は運営委員と取材に来ていただいた方だけで、今回は、コロナ危機下で犠牲が集中している外国人が励まし合い、28日の団交をはじめとした闘いの継続の意志を固める場という色合いの強い会議となりました。


 ソーシャルディスタンスとはいかず、会議が終わってからも固まっての話が続きましたが、事の重要性もあり、やむを得ない面もあるでしょう。緊急事態宣言も解除の動きもあり、公共施設も使用再開が近そうですが、雇い止めなど、労働組合の取り組む課題は増え続けています。三河支部も、今後もがんばっていきましょう。


 

nice!(0)  コメント(0) 

雇用を守る?2

 今日(23日)の『朝日』朝刊によると、厚労省の集計では、コロナの影響での解雇・雇い止めが、4月末で3771人だったが、今月21日時点で1万835人に急増しているという。各地の労働局が把握できた数なので、実際はもっと多いだろうとのことだ。今後、正規・非正規の内訳をつかみ、また派遣社員向けの相談窓口も今月中旬から置いているそうだ。当ユニオンも5月から多忙を極めているのも、こうした解雇・雇い止めへの対応が主となっている。


 全国的にも、緊急事態宣言解除で、コロナの影響で企業経営が深刻化している現状の打開が図られつつあるが、現場では苦境が続いている。以前のブログでNHKのローカル番組「ナビゲーション」を紹介したが、昨晩(本日朝に再放送)は経営者の資金繰りに苦悩する姿を紹介していた。地元の信用金庫が融資で支えているところに焦点を当てていたが、それでも不良債権化も考慮する必要はあるようだし、19日の新聞報道では上場地方銀行の7割が減益・赤字というし、となると、民間頼みだけでなく公的支援を、という声は切実になってきているが、限界があるというので、とうとうヤミ金業者に、という風にもなってきてもいるようだ。


 カネはあるところにはあるようにも思うのだけれど、資本としては増殖するのがサガ。法務省勤務時代に共謀罪制定にかかわった某検察庁幹事長も、ギャンブル好きのサガが災いして、新聞記者と“共謀”している姿を暴かれて定年延長も検事総長も夢と消え、自己都合退職?。選挙での金バラマキ事件やらIR(カジノ施設)汚職やらの立件(防止(?)に関わる機会もなくしてしまった。しかし、ウン千万の退職金がもらえる見通しらしい。退職金もない当方はまたもあぜんとするばかりだが、解雇・雇い止めにあっている労働者はもっと憤懣やるかたなし、という状況ではないか。当ユニオンの外国人労働者の最大分会になってきた碧海工機分会も、分会員の大量雇止め問題で、団体交渉のスケジュールを控えており、それに向けて、明日の三河支部会議での意志一致をしないといけない。こっちは3密だの、“共謀”だのと、いろいろ考えないといけないのだから。まあ、当ユニオンの会議に“共謀罪”が適用されるまでにはまだいかないかもしれないが、関西生コン労組への弾圧は共謀罪の先取りという話もあるわけで、こういう「犯罪」に関して、起訴するかどうかは検察が決めるわけだが、そのトップがああで、司法権力と「権力分立」しているという行政権力のトップもああだとねえ。


 と軽薄口調ばかりではいられない。当方はテレビをよく見ているが、テレビもコロナの影響で番組づくりに苦慮しているのか、しかしそれでも報道すべきことは報道しようという職業意識もあってか、15日に放映された『ナビゲーション』は、「NHKプラス」では26日(火)午前3時10分まで放映されるようで、全国で見られる人ができるのは良いことだ。


 映像といえば21日の日弁連のオンライン集会(「期日を止めるな!労働審判&労働委員会の早期開催を求める!」Web集会)で当ユニオンの鶴丸委員長が、労働委員会の期日の延期や団交拒否による解決の遅れなどの実態を報告する発言をした。19日の日本記者クラブでの、「派遣切り・非正規労働者の現状」に関する会見で、ユニオンみえからも発言している動画も公開されているが、外国人労働者は事情をよく呑み込めず、書類も確認せずに署名するというケースがあるという話をされていた。あのリーマンショックでの外国人労働者の大量解雇の時と、同じ問題が繰り返されている、と当方は思わざるを得なかった。


 こういう外国人労働者の問題の困難さは、NHKの別のローカル番組でも感じさせられた。先の『ナビゲーション』で豊橋のブラジル人が電話での職探しで電話していた島根での、ブラジル人労働者に関する番組(さんいんスペシャル「翻弄されて~“パイゾン”が見た外国人労働者の今」(5月8日放送、22日未明に当地で放映)では、“パイゾン”(大きなお父さん)と親しまれるブラジル人男性が、リーマンショックを乗り越えてレストランを経営しながら、ブラジル人の相談に乗っているのだが、米日貿易摩擦・コロナ感染者発生による工場の操業停止、により収入が激減したため、帰国するブラジル人が増える中、日本で地域の助力を得ながら家を買うまでになっても、その家もローンも残したままブラジルに帰国するブラジル人労働者家族との別れを強いられた。それでもなお、農業に活路を見出そうとしている姿を描いていた。こういう仲間思いは、当ユニオンのブラジル人組合員からも感じられ、当方もいろいろ考えさせられた。明日の三河支部会議を、成功させるため、がんばろう。




 


nice!(0)  コメント(0) 

団交・19行動・検察庁法など

 当ユニオンは18日、派遣会社ベルテック(刈谷市)で、2か月更新を繰り返してきたが4月末で雇止めになったブラジル人労働者の件で団交を行いました。雇止めの撤回や派遣先探しを求めたのですが、「仕事がない」との返答に留まっています。コロナウイルス感染症拡大を理由にした労働者へのしわ寄せが、外国人労働者・派遣労働者に集中している中ですが、労働組合としては交渉をも通じて打開していくしかありません。


 他方で安倍政権がこの時に国会で検察庁法改正を強引に進めようとしていることへの抗議の声が拡大し、とうとう政府・与党はこの日、今国会での成立を見送りました。とはいえ、次期国会での成立はあくまでもめざす姿勢を示しています。しかし、一般の国家公務員対象の法案と「同一の趣旨・目的」(森法相)と強弁して抱き合わせて法改正を強行しようという手口は、「働き方改革関連一括法」同様、反対の声をあげにくくさせるという狙いも見えるような気がしてしまいますが。


 で、私たちは19日、「安倍内閣の暴走を止めよう!共同行動実行委員会」が、コロナウイルスの影響で久々となった「検察庁法改正案は廃案!緊急宣伝行動」と題しての街頭宣伝行動(栄ラシック前で午後5時半から一時間)に、このかん同委員会主催の集会・デモなどの「19行動」に参加してきたこともあり、参加しました。多忙な中でもあり、少人数での参加でしたが、ユニオンと連帯する会、反貧困ネットワーク、関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会など、知り合いの団体の方々などとともに、「検察庁法案撤回!」「“コロナ”検査と医療態勢の充実を!」「生きるために補償を!」とアピールしてきました。労働組合がこういう問題に声をあげていく必要がある、と改めて確認できました。


  そして本日(20日)は、明日発売される『週刊文春』に、渦中の黒川東京高検幹検事長が、5月1日(緊急事態宣言中のメーデーの日か・・)『産経』記者の自宅で同記者と『朝日』元記者と賭けマージャンをしていた(13日にも「同じ行動」とのこと)との記事が載ると報道されました。行為も、面子も、時期も、事実とすると、あぜんとしてしまいますが、安倍夫妻も、違法ではないとしても状況にそぐわない行為もされていたことも併せると、さもありなん、とも思いますが、さて、どうでしょうか。


 これら種々のユニオンの取り組みを組合員などの皆さんに詳しく伝える『ふれあい通信』も、本日、忙しく3密にも配慮が必要な中ですが、製本・発送準備作業も行いました。近々届くとは思いますが、この状況ですので、通常より遅れるかもしれませんが、よろしくお願いします。




nice!(0)  コメント(0) 

雇用を守る?

 トヨタ自動車の豊田章男社長は12日の「20年3月期決算説明会」と題した記者会見で、「今回のコロナショックはリーマンショックよりはるかにインパクトが大きい」と言いつつ、21年3月期の連結営業利益が前期比8割減との見通しを示した。「トヨタだけでなく連なるサプライチェーンとそこで働く人たちの雇用を守る」とも言ってはいたのだが、さて、どうだろうか。


 リーマンショックより相談・交渉対応などが増えているかも、という当ユニオンの、専従の皆さんの現状だけではない。筆者自身は「連なるサプライチェーンで働く人」に入るのかどうかよくわからないのだが、長期連休に加え、有休を使って休まざるを得ない時もあるという状況になっている。それでも、権利という面はともあれ、ゼニの面では、休業手当よりはまだ有利なのだが、休業手当どころか、もう雇用そのものが守れなくなってきている労働者が増えてきていると、筆者自身も知らされる。


 というのも、ハローワークが開いている日に行ってみると、ブラジル人らしい人もたくさん来ていたし、コロナの影響もあっての「巣ごもり」中にテレビを見ていると、派遣切りに遭っている外国人労働者の実態が報道されていた。13日夕方のNHKの名古屋放送局のニュース番組「まるっと!」で「追い込まれる外国人」として、外国人労働者の苦境が特集されていたのに次いで、昨日(15日)の夜の地域番組「ナビゲーション」(「コロナショック~雇用をどう守るのか~」)も、13日の報道の一部を含めての番組となっていた。それらで印象的だった点を挙げれば、豊橋在住のブラジル人の派遣労働者が夫婦とも失職し、住まいも失おうとしている、しかし全国の派遣会社に電話をかけ続けても全然仕事が見つからない、ブラジル経済も悪いので帰国もできない、引っ越しの費用も苦しい、という大変さ。そして派遣会社自身も、派遣先を見つけられずにおり、雇調金の書類も煩雑を極め、ひいては会社の存続のためとして一定の労働者を雇止め「せざるを得なくなっている」という状況だ。そのため豊橋市国際交流協会や愛知労働局やハローワークという行政機関には相談が殺到するし、名古屋市の九番団地で活動するNPO団体は他の外国人支援団体との交流を進めて知恵を出し合い、愛労連加盟のJMITUも派遣切りに遭っている外国人労働者の相談に乗っている。「他の外国人支援団体」の方やJMITUの方は、私たちのユニオンも、集会などの催しを通じての、一定の「お知り合い」でもある、という風である。とにかく、派遣労働者が多い外国人労働者が、「雇用」を真っ先に失っている、そしてそのフォローに末端行政や各団体が忙殺されているということを、改めて考えさせられた。「ナビゲーション」は今日(16日)の9時半から、NHK総合で再放送するし、BSでは20日に再放送するようなので、見ていただければ。そして、今日の『朝日』朝刊の土曜日の別刷り「be」では、「移住連」(移住者と連帯する全国ネットワーク)代表理事の鳥井一平さんが「フロントランナー」として登場しているので、併せて見ていただければ。


 それにしても、個人的な話続きになってしまうが、ユニオンでもオンラインシステムを使うという機会が増えそうで、IT音痴の当方としては、一昨日(14日)の、今国会を賑わしている検察庁法改正案に抗議するZoomを使っての集会に、平日の午後だが、たまたま仕事が休みで、500人は大丈夫というので、勇気を出してオンライン参加してみた。芸能人も含めての抗議の声が上がる理由がよくわかったのであるが、というのも、行政のトップが、あまりにも「私物化」しているように思えるというので、この大変な時に何やってんのかな、と思わざるを得ない。戦争に負けるや逃げのびた軍部トップに連なる人脈がコロナ対策に受け継がれているという話もなくはなく、安倍氏も刑事訴追逃れを図っているとの話もなくはない、他方、NHKも安倍氏に甘いから見ないという人や、某芸能人を番組から降ろすべきという人もいる手前、先にNHKの番組を宣伝したが、それで良いかとか、何やかやと考えてしまうところもあるが、まあ、譲れないところは譲れないところとして、やっていくしかないですね。


<追記(18日)>本日の『朝日』朝刊で、派遣会社へ解雇反対の行動を行ったユニオンみえのブラジル人女性労働者(無期契約で妊娠中にもかかわらず3月末で解雇)の件も含め、外国人労働者の苦境について報じられています。全国的に「5月危機」として、6月末での雇止めの予告が5月末に集中するだろうことも含め、今、解雇・雇い止めが進んでいることが1面から大きく報じられてもいます。相談窓口として労働組合も紹介されています。今後も相談が増えそうです。がんばっていきましょう。


<追記(19日)>本日朝のNHKニュースの、7時45分からのローカルニュースの枠で、上記の「ナビゲーション」での外国人労働者の現状のダイジェストが放映されました。ご覧になった方もみえると思います。何とかしたいですね。

 

nice!(0)  コメント(0) 

第13回運営委員会を開催、など

 5月9日(土)午後6時より、ユニオン事務所にて、運営委員会を開催しました。今回は、本来は、定期大会で選出された新たな運営委員会の第1回になるはずでしたが、コロナウイルス感染症の影響で、定期大会は延期となり、これまでの運営委員会が暫定的に継続しているため、第13回運営委員会となりました。


 コロナウイルスの影響はこれだけでなく、今回の運営委員会は密集を避けて半数近くがLINEによる参加という初めてのかたちをとり、早めに終わるようにしました。傍聴参加してくれた組合員も含めて、ソーシャルディスタンスというほどにはいきませんでしたが、距離を保ちつつ、会議ができました。内容も、定期大会をどうするかの議論が中心になりました。延期を決めた頃は、7月中旬にでも開催できたらと考えていたのですが、現状では、そこで開催すると決めることはできないと判断せざるを得ないため、ではどうするかを、次回の運営委員会までに考えて検討することになりました。


 また、学習会・セミナー・交流企画など、直面する交渉などの取り組み以外のコロナウイルスの影響への配慮が必要な活動がなかなかできず、東海ネットや全国ネットの活動も制約がある中で(セミナー・合宿・会議などが変更になっています)すが、三河支部会議については、三河での取り組みの課題もいろいろあり、5月も行うこととしました。24日(日)に、前回同様午前11時から、前回と同じ場所での開催を予定しています。いろいろ配慮も必要ですが、よろしくお願いします。

nice!(0)  コメント(0) 

新型コロナホットラインに参加

 5月2日(土)午後1時から8時まで、当ユニオンは、「生存のためのコロナ対策ネットワーク」が呼びかけた「大型連休中の新型コロナ労働・生活総合相談ホットライン」に参加しました。全国各地で2日・3日に取り組まれましたが、当ユニオンは2日のみ参加しました(全国の取り組みは公式ツイッターもご覧ください)。


 電話を受けつけたユニオン事務所には、当ユニオン員数名のほか、「反貧困ネットワーク」の弁護士・司法書士の方々や、お世話になっている法律事務所の弁護士の方にもご参加いただきました。10数件の相談数で、殺到する、というほどではありませんでしたが、生活相談・労働相談、半々ほどで、私たちのように通常、主に労働相談を受けている立場からすると、広範な問題に対応していただけて助かりました。コロナ感染症についての状況や、行政の施策なども日々変わる中でもあり、対応も大変ですが、相談を通じて対処が少しでも進めばと思います。


 相談内容で、有休消化で対応するよう言われているが有休が減ってしまうので何とかならないかとか、職場での感染対策の問題とかあったことだけをとっても、三河支部員にも身近な問題です。今月末まで緊急事態宣言が延長されることが正式決定されようとしているなど、大変な状況が続きますが、全国の仲間と協力して、がんばっていきましょう。


nice!(0)  コメント(0) 

愛知労働局・愛知県に申し入れ行動、など

 5月1日(金)午前10時半から、コロナショックにも促されて、コミュニティユニオン東海ネットワークに参加する愛知県のユニオンなどにより4月18日の「愛知県内ユニオン意見交流会」(当ユニオン事務所で開催)で結成した東海ネットあいち連絡会は、最初の取り組みとして、厚生労働省愛知労働局と、愛知県に対しての申し入れ行動を行いました。一部は朝のメーデーの宣伝行動に続いての行動でしたが、総勢10数名の参加で、当ユニオンも鶴丸委員長を先頭に数名で取り組みました。


 まず、愛知労働局の本庁舎がある県庁横の名古屋合同庁舎第2号館前で、加藤厚生労働大臣と愛知労働局長宛に、東海ネットと連名での要請書を、担当の方に手渡す申し入れ行動を行いました。この要請書では、解雇・雇い止め等の規制について/休業時の賃金補償について/雇用調整助成金など事業者負担への対応について/職場環境・防疫対策について/住宅の確保等について/情報提供、多言語対応について/労働三権の保障について、の各要請項目を挙げ、新型コロナウイルス感染症拡大に関係して深刻化する労働問題への対応を求めています。応対された担当の方には、趣旨を説明したうえで、書面での回答と、話し合いの機会の設定を申し入れて、行動を終えました。


 続いて県庁に移動し、労働福祉課を訪れました。応対した担当の方と、代表者数名とが会議室で面談しました。大村県知事宛の要請書では、項目としては、上記の「職場環境・防疫対策」の次に「住民税、国民健康保険や介護保険などの保険料(税)について」を加え、内容の詳細も労働局宛とは変えたものですが、申し入れと同時に会話も一定時間行なえました。ここでは、労働局と同様に、書面での回答と、話し合いの機会の設定を申し入れました。この面談の後には、鶴丸委員長が『中日』の取材を受けていたので、記事になるかもしれません。最後に参加者が全員集合して、今後もがんばっていくことを確認し合って、正午前、行動を終えました。


 昨日は切迫した雇止め問題でのヒサダ団交が行われましたが、まだ合意には至っていません。明日(2日)は、13時から20時まで、「生存のためのコロナ対策ネットワーク」が行うホットラインに、「反貧困ネットワークあいち」と協力して取り組みます。このホットライン自体は3日にも行われますが、当ユニオンは2日午後のみ取り組み、事務所では、「ゴールデンウィーク」は、カレンダー通りの業務スケジュールとします。「緊急事態宣言」の延長の意向を昨日安倍首相が表明しましたが、当ユニオンの交渉件数は、リーマンショックに匹敵するほどにまでなってきており、労働者にとっての「緊急事態」は深刻化しつつありますが、労働組合として、がんばれるところでがんばっていきましょう。


<追記>11日の『中日』で上記の申し入れ行動に関しての記事を掲載していただきました。ありがとうございました。



 




 

nice!(0)  コメント(0) 

第91回愛知県中央メーデーに参加

 5月1日(金)午前8時より、名駅東口付近で、第91回愛知県中央メーデーの催しとして、アピール行動が行われました。今年のメーデーはコロナ対策で集会・デモは中止と決まっていましたが、それに代わって宣伝行動が企画されていました。他方、当ユニオンが事務局を担当するコミュニティユニオン東海ネットワークも参加する労働法制改悪反対実行委員会は、4月23日のオンライン会議で、この1日の朝に名駅付近で宣伝行動を行なうことを決めており、中央メーデーのこのアピール行動に参加することとなりました。当ユニオンからも手製の横断幕やプラカードを掲げて数名で参加しました(公式ツイッターもご覧ください)。


 このアピール行動は、約80名が参加し、チラシを入れたティッシュを配布しつつ、街宣車の壇上でアピールを続けるという、ミニ集会のようなかたちになりました。実行委員長のあいさつに始まり、各労働組合・中小企業団体・平和団体からの発言、議員・政党からのメッセージ紹介と続き、団結ガンバローで終了しました。1時間の行動でしたが、コロナショックを乗り越えて労働者・市民はこのメーデーをもきっかけにさらに団結してがんばっていくことを確認しました。また、その他各地でも取り組みがされたとのことで、自粛ムードの中でしたが、メーデー100年の今年も、オンラインにとどまらないメーデーを実現することができました。


 当ユニオンは行動が終わってから名駅前で若干宣伝行動を行い、その後事務所に戻って、10時半からは愛知労働局と愛知県に対する申し入れ行動に取り組みました。また、何度かNHKで報道された後、テレビ東京(4月29日のWBS)、朝日新聞(29日のデジタルでの記事)でも報道された外国人労働者などの苦難を乗り越えるために、東海ネットの一員であるユニオンみえはメーデーを、津市内の公園で、デモと「派遣村」も行うかたちで、県の自粛要請もありましたが、コロナ対策もしつつ、実現しました。現状のコロナ対策を絶対視し、医療崩壊まで招いた行政の問題も、雇用崩壊までも招いた企業の問題も問わずに、ただ犠牲に耐えて個々の対処のみを強要することを、甘んじて受け入れるわけにはいかない、そういう姿勢を示す場として、申し入れ行動と併せ、この日の行動を取り組みました(申し入れ行動については別記事を参照してください)。参加した皆さん、今後もがんばっていきましょう。

nice!(0)  コメント(0)