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宇田川教員アスベスト裁判について

 15日の各紙に報道されたが、同日、愛知淑徳学園の教諭だった宇田川暁さん(01年に亡くなる、当時64歳)が中皮腫と肺がんで亡くなったのは校内でのアスベストが原因だとして、労災を認めなかった国の処分の取り消しを求めて、奥さんのかほるさんが名地裁に提訴した。小中高校の教員でアスベスト被害による労災(正確には公務災害)が認められたのは滋賀県の中学教諭の一件しかなく、認定を求める裁判は全国初という。

 宇田川さんは約34年間、同学園の中学・高校に勤務していた。校舎には天井などに吹きつけアスベストがむき出しになった部分が複数あり(音響調整室など。放送部などの顧問として出入りしていた)、増改築工事もたびたびあり粉じんにもさらされた、という。奥さんによれば、学園内の寮から工事現場近くを通って通勤しており、たばこも吸わず、原因は学校のアスベストしか考えられない、という。しかし労災申請は「石綿にさらされる事業に従事していない」との理由で不支給になったとのことだ。支援にかかわっている当ユニオンの組合員からもらった14日の記者会見の資料では、石綿健康被害救済法での学校労働者の認定(環境省所管の救済制度があるようだ)は多いらしいのだが、国家公務員災害補償法、労災補償による認定数がなぜ少ないかは問題、と言われている。実際、06年に名古屋東労基署に申請し、08年に不支給決定、愛知労働局への審査請求も10年に棄却、厚労省内の労働保険審査会への再審査請求も本年1月に棄却、という国の処分に、シロウトながら、どうなの?厚労省・労基署とかはどうなってんの?と思う。それでも亡くなってからほぼ10年経って、なお闘う奥さんには考えさせられる。21日(水)午前10時20分、第一回口頭弁論が1103法廷で開かれるそうなので、当方も傍聴支援に行こうと思うし、皆さんも参加されたらと思う。

 私事だけれど、当方の若かりし頃、県立高校のクラブハウスの建物で、たまたま天井の上を覗いたら、白い粒がいっぱい載っていて、触るとパラパラ落ち、何だこりゃ、と、面白がっていた記憶がある。あれはアスベストだったんだろうな。もう当時のクラブハウスは跡形もないけれど。当方もずっとタバコを吸っていたから肺がんになっても因果関係は証明されないのかもしれない。当方の母親がパートで勤めていた会社もアスベストが後で問題になっていたけれど、母親も元気だ。しかし、中皮腫というとアスベストが原因と医学的にも認められているようだし、環境省所管の救済制度の対象になり、住民の申請を受け付けているのに、労働者にとっては、まだまだ厳しいところがあるようだ。

 ちなみに、14日東電が明らかにしたところによると、福島第一原発事故で3月から6月に事故の復旧作業などに携わった作業員のうち8月31日現在で88人の所在が不明だそうだ。6月8日から公的証明書を基に作業証を発行し被曝管理をしているが、それ以前は所在不明の人がいて、個人線量計貸し出しの時の台帳を手ががりに探している、というのだが。原発作業員の労災認定も大変そうだ。また東電は同日、協力会社の作業員6名が3.59~10.01ミリシーベルトの外部被曝をしたとも発表(内部被曝はなかったというのだが)した。線量計を身につけていて、設定値を上回っているというので警報音が鳴っていた可能性があるにもかわわらず。労災問題はユニオンも取り組んでいるし、当方もシロウトとばかり言っていないで、傍聴支援などで勉強しなければ。


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