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財政安定化検討会議・最賃プロジェクト・機関紙作業・交渉カンファレンス

 ユニオンも種々の活動をしていて、運営委員もさまざまな分野に関係している。筆者が最近参加した活動について少々触れてみます。


 22日(水)の午後5時から開催した財政安定化検討会議は三回目だった。労働組合は営利団体ではないが、財政安定化は活動にとって不可欠の課題である。参加者は皆運営委員で、いろいろ策が提起されるが、妙案というのはなかなか難しいものだ。だが、あれこれ言っているうちに、少しは話が煮詰まって、課題が見えてくるところはあった。当ユニオンは組合員数に比べて活動量が多い傾向があるように思えるが、財政の裏付けは必要なので、今後定期大会で提案する予算案づくりに向けて、議論をさらに煮詰めていく必要がある。


 27日(月)の午後1時から開催した二回目の最低賃金プロジェクト会議は、最低賃金引き上げをめざす運動を強化するために、継続的な取り組みを進めていこうと結成したプロジェクトチームの会議だった。現在これも参加者は運営委員だけだが、将来は運営委員に限らず参加してもらえるようなチームにしたいと思うのだが、現状はまだプロジェクトチームという仰々しい名前に実質が伴っていないかもしれず、まだ学習や資料探しなどを行っていて、今回は最低賃金についての基礎的な知識を学ぶのが主となった。今後は、最低賃金引き上げは皆が口にしているが、そこに込めている意味や、いかに実現するかについての方法などについて、学習を積み重ねたりしながら,追求していくべきだろう。


 29日(水)の午後2時からは、機関紙『ふれあい通信』の製本・封筒入れ作業だった。今回は人数が5名を超えていて、運営委員以外の組合員も多く参加し、ずいぶん早くできた。コロナ禍のただ中では、人数制限をしてやらざるを得なかったが、現在は人数をより増やせるようになっていて助かった。少なすぎると時間もかかり、ユニオンの事務局の仕事にも影響してきたりもするし、それ自体は単純作業でつまらないと感じる人もいるだろうけれど、参加者の交流などもできたりするし、何といっても機関紙は情報伝達手段としても貴重なので、多くの組合員が参加してできれば、と思う。当方も機関紙担当だが、作業はこのかんお願いすることも多かったが、今回は参加して良かった。


 そして同日の午後4時からは、交渉カンファレンスを行った。これは案件の担当者が、裁判や労働委員会や交渉の現状について情報などを交流・共有しあい、方針なども検討している場だが、参加者は案件を担当している、事務局の運営委員を中心にしているが、今回、担当者に準ずるという資格で筆者も参加させてもらった。事務局を担う運営委員が案件を担当し、その案件の解決のために力を割きつつ、同時に不断の電話相談などにも応じている現状は、ユニオン版「働き方改革」が必要になっている。世代交代とも関係して、また労働組合の取り組み全般や、財政とも関係もする。また担当者の「働き方改革」のよってより案件のより良い解決につながっていくという点もあるだろう。専門的能力の面もあるので、なかなか難しいところもあるが、事務局・運営委員・非運営委員、それぞれ協力して進めていければと思う。


 定期大会を来年4月に予定しており、会場使用申請の関係でまだ日時・会場は確定できないがそろそろ確定する予定のめどがたてられる時期が近づいている(コロナ禍が広がらないことを願うところだが・・)ということで、今期も折り返し・年末、という現在、来る12月6日(水)午後6時半からは第一回組織強化会議を開催し、いよいよ定期大会に向けて本格スタートとなる。一連の会議もこの定期大会に向けての取り組みという面もあった。今後もユニオンの前進のために、がんばっていきましょう。



 


 




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コミュニティ・ユニオン全国交流集会を実現

 11月25(土)・26(日)の2日間、「第35回コミュニティ・ユニオン全国交流集会in熊本」が、熊本城ホールを会場として開かれました。「ぎゃんして ぎゃんすっと ぎゃんなっとたい!『みんなが団結して 行動すれば 未来はひらける!』」をテーマに、55余りの団体・280名の参加者が集いました。全国・東海の仲間とともに、当ユニオンからも5名を超える参加で、実現しました。


 一日目(25日)は2階のシビックホールで午後1時に開会し、前半は全国ネットワークの総会でした。経過報告・活動報告や、予算案や、役員体制案などが提案され、採択しました。続いての特別報告では、スクラムユニオンひろしま出雲事務所の日系労働者の組織化について、札幌地域労組千歳相互バス支部のストライキについて、の報告とともに、当ユニオンの浅賀井製作所分会の「労基法3条、20条違反で裁判闘争」についての報告を行いました。労基法3条は国籍差別を禁じ、均等待遇を謳い、旧労契法20条は同一労働同一賃金を謳っていますが、これらの法も根拠としての裁判闘争で格差是正の和解を実現した闘いについて、ブラジル人原告の一人で分会長でもある佐藤副委員長が力強く語りました。そして議長を解任し、総会を終えました。


 休憩を挟み後半では、かの熊本県の営業部長「くまモン」が登場し会場を湧かせた後、特別講演として、「『こうのとりのゆりかご』から始まる第2の人生~置かれた場所で花を咲かせる~」と題して宮津航一さん(大学生)と、「孤立出産に追い込まれない社会に~ベトナム人実習生孤立死産最高裁無罪判決から見えるもの~」と題して石黒大貴弁護士が、それぞれ話されました。宮津さんは、全国初の「こうのとりのゆりかご」が慈恵病院(熊本市)で運用開始し、そこに最初に預けられた方で、そこから現在までの体験とそれを通じて現在どう生きているかの思いを語り、石黒さんは、熊本市で死産した双子の赤ちゃんを自室に遺棄したされた元技能実習生のベトナム人リンさんの逆転無罪判決を勝ち取った主任弁護人として、事件の背景をつかみ無罪判決を勝ち取った取り組みを語りました。いずれも厳しい境遇をのりこえていく頑張りに、学ばされ励まされる講演でした。


 これで会場での一日目のスケジュールは終了し、近くのホテルでのレセプションに移りました。コロナ禍が一段落したかのようになっているので、久しぶりのレセプションとなりました。オープニングでは『山鹿灯籠踊り』が披露され、乾杯後では、民主労総金属労組韓国ワイパー分会の闘争報告と当ユニオンの鶴丸委員長が主導してのユルトン(律動、闘争歌に合わせての踊り)も含め、全国のユニオンの個性あふれる自己紹介が披露され、大いに盛り上がりました。レセプション終了後も、当ユニオンもそうですが、全国の仲間はそれぞれ、交流を深めました。


 二日目(26日)は再び熊本城ホールに戻り、3階の会議室で午前9時に開始し、精神障害の労災認定基準・メンタル労災からの職場復帰・Web活用・女性と労働(セクハラ・マタハラ)・会計年度任用職員・外国人問題・同一労働同一賃金・組合づくり・労働委員会・最低賃金・フリーランスをテーマとした11分科会に分かれ、それぞれ学習・交流を行いました。そして午前11時30分に2階のシビックホールに移り、閉会集会を行いました。集会宣言を確認し、来年度の開催地である大阪の決意表明を関西の仲間が行い、正午、無事閉会となりました。その後、別会場で女性交流会も開かれましたが、当ユニオンの参加者は、熊本城見物をしたりした後、帰途につきました。

 

 集会の成功のために尽力していただいた現地の実行委員会の皆さんをはじめ、全国・韓国の皆さん、お世話になりました。前日の全国運営委員会から参加していた鶴丸委員長を含む当ユニオンの皆さん、お疲れさまでした。今後とも、よろしくお願いします。がんばっていきましょう。














 





 

 




 


 

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NHKドラマ「ガラパゴス」を観て

 11月25日(土)、2日間の熊本での全国交流集会が始まった。当ユニオンからも参加しているが、筆者は今回は参加しなかった。参加した仲間は夜はどこかのユニオンと交流会でもやっていたのかもしれないが、筆者はテレビを観ていた。ちょうどNHKで午後10時からドラマ「ガラパゴス」の最終回だった。この「ガラパゴス」は、原作は派遣労働をテーマにしたミステリー小説だというので、筆者も以前某古本店で入手してはいたのだが、ツンドクのまま、本の山に埋もれている。が、今回ドラマ化されると知って、これはいいと、11月の毎土曜日、4回にわたって観た。重いドラマだった。


 ストーリーは、ある刑事が、ある派遣労働者の死について、その真相を、その派遣労働者の足取りをたどりながら、明らかにしていくというものだが、そこでは、かなり派遣労働の現実と近い地名(岐阜の美濃加茂や、三重の亀山や、当人が沖縄出身とか)や、秋葉原事件を連想させるような事件も出てきたりして、現実味があった。そして、この派遣労働者の死の背景には、派遣労働者を搾取する派遣元・派遣先などの構造的な問題があったという点でも、これはスポンサー頼みの民放では作れないドラマだという気もした。NHKドラマだと、CMがないので、ドラマの合間のCMで一息つくことができないのは大変なのだが、さらに、民放ドラマでとりわけ顕著だろうけれど、どこかにパロディー化を交えるのが当たり前になっているのに慣れていると、こういうパロディー化が全くないドラマは、なおさら民放ではつくれないだろうと思った。


 原作は2016年に発刊された。描かれている派遣労働者の姿は、「派遣切り」が吹き荒れたり、ユニオンみえがシャープ闘争を取り組んだりした時の派遣労働者の姿であるし、妊娠したからだと言わざるを得ない派遣切りを当ユニオンが取り組んでいるような、現在の派遣労働者の姿でもある。また、今外国人技能実習制度の廃止が決まりつつあるが、「育成就労」という新たなかたちで外国人労働者を使い捨てていくようなことになるのでは、という危惧もある。技能実習生制度は現代の奴隷制度だと言われているが、派遣労働も見えない鎖につながれている。いやそもそも労働者は・・・ということまで考えると、重さが加わってしまう面もあるが、それでも今回の全国交流集会で、その重さを打開するための何かを、仲間は持ち帰ってくれるだろう。そしてこの「ガラパゴス」は、重いドラマだが、小説ともども、皆さんも何らか、接していただけると、良いと思う。

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県労働委員会の公正な任命を求め街宣

 11月21日(月)午前8時より、愛知県庁付近で、愛知県労働委員会委員の公正な任命を求めた街頭宣伝を行いました。愛労連・愛知国民春闘共闘委員会と当ユニオンが協力して、10数名で行い、うち当ユニオンは半数弱の参加でした。


 来月に愛知県労働委員会の委員の選出がされますが、現在、労働委員会は、労働委員に他の労組からも推薦候補が出ているにもかかわらず労働委員が連合推薦の方々のみであるとか、公益委員に労働法の専門家がいないとか、全体に女性の占める割合が少ないとかに見られるように、委員の選出に公明正大さが欠けている点があります。その影響もあってか、労働委員会の姿勢が、労働者・労働組合に対して厳しいものになっていると言わざるを得ず、他県と比べても公正さに欠ける面があります。


 こうした現状を打開するために、現在、労働委員候補に女性を推薦したり、当ユ二オンの運営委員の候補者を推薦していますが、県労働委員会の再生のためには、県民の声を強くしていくことが不可欠です。その趣旨で、今回の街宣を行いました。マイク宣伝をしながら、チラシ・ティッシュ配布を行い、通勤途上などの通き交う方々や、県などの関係者の方々に訴えました。1時間の行動でしたが、ティッシュを受け取り、注目する人など、一定の反響がありました。


 愛知県も有給取得などの働き方改革・ワークライフバランスを図る趣旨で、11月27日を「あいち県民の日」とし、今日から27日までを「あいちウィーク」としましたが、そこでの「県民の日学校ホリデー」の設定にしても、親子がかかわる労働・教育現場の声を反映する労働組合の意見を反映することが必要でしょう。そうした意味でも、労働組合に対する不当労働行為を認めない労働委員会に再生することは必要です。皆さん、ご協力をお願いします。

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あいち総がかり行動集会に参加

 11月19日(日)午後1時半より、栄・光の広場にて、「『軍拡・改憲よりもくらし、平和』東海4県一斉行動 新しい戦前にさせない 11・19集会 デモ」(主催 憲法をくらしと政治にいかす 改憲NO!あいち総がかり行動)が開かれました。日曜だったせいか通常より多い、300名規模の参加で、当ユニオンからも10名規模で参加しました。


 集会では、最初に主催者あいさつとして、長峯共同代表が、イスラエルのガザ攻撃がどう問題か、またハマスの攻撃にイスラエルの軍事システムが対応できなかったように、日本が導入しようとしている防空システムも対応できないのにムダな軍事費を支出しようとしているおかしさを批判しました。次いでアピールとして、最初に生活保護基準引き下げ反対愛知連絡会の浅田さんが、生活保護基準引き下げに反対する裁判で、一昨年名地裁が行政忖度の不当判決をしたが、来る30日の名高裁判決では勝利するとの決意を述べました。次いで愛知県平和委員会の城下さんが、守山駐屯地の基地機能や、愛知の軍需産業の製造する兵器が強化されている実態について話しました。


   続いてBDSnagoyaの金城さんが、イスラエルのガザ攻撃のひどさと、パレスチナの抵抗に応えていく必要性について述べました。そして、名古屋青年合唱団の武藤さんらが2曲歌を披露した後、4県一斉行動共同アピールが読み上げられ、確認されました。


 そして午後2時20分から、栄一帯を一周するデモに移りました。沿道の市民からも注目を集め、飛び入り参加もありました。


 イスラエルのガザ攻撃に対しては、午後5時半から同じ光の広場で、「ガザ緊急アクションなごや」が主催して集会・デモを行いました。総がかり集会でも参加が呼びかけられ、350名規模の参加で、ユニオンで取り組むという確認まではしていませんが、有志が10名近く参加し、多くの外国人・日本人の参加者とともに、イスラエルはジェノサイドをやめろ、の声を上げてきました。このデモも多くの注目を集め、飛び入り参加もありました。この集会・デモは26日・12月3日にも、同じ場所・時間に開かれ、また21・28・12月5日の正午から1時間、アメリカ領事館前で抗議街宣をやるそうです。2ラウンドで奮闘した皆さん、片方に参加した皆さん、今後もがんばりましょう。



 

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パレスチナ組合員自主学習会・豊橋学習会

 11月18日(土)午後1時より、ユニオン事務所+Zoomにて、「パレスチナ問題を問う組合員自主学習会」を行いました。10名を超える参加で、活発に行いました。


 この学習会は、パレスチナでの戦禍を前に、2月のウクライナ問題と同じように、平和を求める労働組合として採りあげるべき問題と考えた組合員が自主的に呼びかけ、9日の運営委員会での承認を受けて開催することになりました。すでに何名もの組合員が栄などでの抗議行動に自主的に参加したりもしており、多くの組合員が参加しました。


 学習会ではまず、資料を準備してきた参加者が資料を説明し、次いで、パレスチナ問題の背景を、イスラエル建国以来のパレスチナ人の抑圧と抵抗の経緯を示す動画を上映し、その後、それらを参考に意見交流を行いました。イスラエル政府・軍を非難しつつ、パレスチナ人が何を求めているかを考える必要があると述べたり、ダブルスタンダードがまかり通っている状況のおかしさを訴えたり、ユダヤ人やイスラエルの人々が皆政府や軍を支持しているわけではないと思うと述べたり、しかしハマスの行為はテロと言えるのではないかと述べたりなど、いろいろな意見が出ました。よくわからない点もありながらも、いろいろ話し合って、考えを深めたこと、また、今後、日本政府への訴えや、翌日の総がかり集会への参加や、栄の抗議集会&デモへの自主的な参加など、行動上も一定取り組んでいこうとの呼びかけもあり、労働組合として、こうした学習会をできたことは、意義があったと思えました。


 次いで午後6時から、豊橋学習会を、豊橋カリオンビルにて行いました。参加者は5名を超えて、活発な学習会ができました。

 今回は、10月28日のユニオン事務所での学習会での、「定年と定年後再雇用」に関する後半のレポートを、ここでも採りあげました。そこで、近い将来に定年を迎える参加者が、今後を考えるうえでも、15日に終了した浅賀井製作所の裁判が参考になるとの話もあり、浅賀井製作所裁判を闘った教訓を生かしていこうとの話になりました。また、パレスチナ問題学習会の話にもなりました。

 次回は、浅賀井製作所裁判の報告集会をやるという話もあり、やるとすれば土曜日も候補になるが、未定ということもあり、年末も近づいていることもあり、とりあえず未定にすることになりました。12月16日の名古屋学習会以降の土曜日、年明けになる可能性がありますが、決まりましたら、また参加をよろしくお願いします。

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宝塚歌劇団員死亡問題から

 今日(11月15日)のマスコミは昨日の宝塚歌劇団の団員死亡事件についての記者会見の話題を相次いで報じている。一昨日(13日)の記事でNHKの「あさイチ」を採りあげたが、その前の時間で放映されている朝ドラの「ブギウギ」では、主人公が所属する歌劇団で人員整理反対のストが起こったり、戦争の影がほの見えたり、などがある中で、主人公は歌が好きという一心で頑張ってきている過程だが、その裏では何があるか、と重ねて観ざるを得なくなってしまった。


   NHKも紅白で旧ジャニーズの歌手は出場させないと打ち出したのに、看板番組に影を落とすような現実がまたも起こってしまうと、テレビの厳しい現状の中では苦しいところではあろうけれど、また現実を一歩離れたところでエンタメは成立するのかもしれないけれど、やはり現実は、パレスチナも何もかも、どんどんひどくなっていく風だ。しかしそこを相対化、パロディ化、さらにエンタメ化、フェイク化しないといけないようになっているということも、逆にまた深刻なのだろう。けれど、労働組合は現実に戻っていかないといけないし、マスコミのスキャンダル暴露に頼るしか企業に物言えないわけではないことを示していかないといけないのだが。


 今回の宝塚歌劇団で劇団側はハラスメントは否定したが、「個人事業主」扱いにしていたとはいえ長時間労働は一定認め、「精神障害を発病させる恐れのある強い心理的負荷の可能性は否定できない」とも認めて、安全配慮義務違反だったともしてはいる。どうやら、やりがい搾取と長時間労働やハラスメントと孤立が重なっていたという一般的傾向もあるが、業界の特殊性もあるようだ。エンタメ業界のことは詳しくなく、大谷さんやら藤井さんやらジャニーズやらお笑いやらアニメやら、マスコミでもてはやされる世界では、どれだけの力が働いているのか、さっぱりわからないが、自己責任どころか競争に勝ち抜くのが当たり前の世界は、一見、なかなか労働組合的な世界と交差しがたいようでもある。


 が、実際はアマゾン・ウーバーやバスケット選手の労働組合結成にしても、個人事業主か労働者かという線引きが、微妙になってきているところはあり、アメリカではハリウッドストもあったし、労働者的な権利意識とかも出てきている。業務委託契約のフリーカメラマンが通勤中交通事故にあった件で労災認定が10月12日付の決定でなされたとも今日の『朝日』で報じられている。


 他方でトヨタ労組は綱領の「労使相互理解」を「労使相互信頼」と変えたけれど、労使が、立場の違いを前提にして「理解」しあうというのではなく、あらかじめ立場が一緒であるかのように「信頼」しあえ、というのであれば、「ブギウギ」のストでストの先頭に立ったスターが最後に「責任をと」って劇団をやめざるを得なかったような、「信頼関係」を揺るがしたものは罰を受けるという、「共同体」(をとりしきる「上」の秩序)を壊したものは制裁というハラスメント的組織体質につながっていかないだろうか。


  企業における労使協調や、政治における政府与党とのスタンスのとりかたなどで、どうも「上」の立場を「信頼」(忖度?)する傾向も、強くなっているかに思えるのだが。そこを超えることをこそ労働法、労働組合は追求してきたのではなかったか、さて、どうなのだろう。今月は「過労死等防止啓発月間」、来月は「職場のハラスメント撲滅月間」でもあるし、労働組合は労働組合らしく、何とかがんばっていくしかないのだが。


<追記(16日)>コロナ対応の労働者の過労死も報道され、ここでも川人博弁護士が登場していた。川人博弁護士のお話は過労死等防止対策推進法の成立を受けて例年開かれる「過労死等防止対策推進シンポジウム」でお聞きしたことがあるが(2021年11月8日、翌日付のブログ記事をご覧ください)、この問題の裁判をライフワークのように取り組んでいるのも大変だろう。昨晩の「クローズアップ現代」でも、働き方改革を特集する企画の第一弾として過労死をとりあげていて、NHK自身の過労死事件をまず反省していたが、長時間労働に追い込まれていく状況に自らも追い込んでいくような構造も見えて、「自己責任」とはいったい何だろうかとも思わざるを得なかった。「自分の仕事だから」と「責任感が強い」人々を追い込んでいく「組織に対する責任」と「自己責任」との区切り目があいまいということ自体が「組織責任」なのだから、そこを組織が果たさなければならないのは、「ビジネスと人権」の精神からも言わざるを得ない。


   しかしこの番組では同時に、長時間労働の抑制で賃金が低下し、また労働強化も進んで、精神障害に追い込まれていくという例も紹介されていて、長時間労働が精神障害をもたらすばかりでなく、その抑制もまたそうだとなると、難しいと思ってしまう。「2024年問題」も、そうした弊害を生みそうな気もする。そうすると人手不足や構造的低賃金とかが問題になってくるのだと思い、賃上げを政府や経団連さえ掲げる事情も考えなくてはならなくなるのだが、こうした入り組んだ構造の中で、それでももがきながらがんばっていく必要があるのだろう。番組の終わりで過労死家族の痛ましく、それでも生きていく姿が示された。裁判といえば、昨日当ユニオンの浅賀井製作所裁判が4年の歳月を経て終了した。過労死裁判が今後続くような状況は終わらせなければならない。

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あさイチでカスハラを特集

 11月13日(月)のNHKテレビ「あさイチ」の特集で「カスタマーハラスメント」(以下カスハラと略)が採りあげられました。いろいろと参考になりました。


 最初に調査で、カスハラという言葉を知っているか、と質問したら多くの人が知らないと答えたが、半数近くがカスハラの被害・加害の経験があると答えた、と述べられました。そして被害の側では、暴言や威圧的態度やセクハラなどの、程度がひどい例が示され、加害の側では、客として延々文句を言ったりなどの体験があるなどが触れられました。そしてこのカスハラは、近年どんどん発生数が増加しているとも言われました。そのうえで、加害の側では心理的傾向に関する話が言われたり、被害の側では、スーパーで労働組合として取り組んでいるが客との関係で配慮しながらになっているとの話や、店長にクレーム対応が集中してしまっているとか、などの話も示されました。そして、しばしば使われる「お客様は神様」という流行語を発した三波春夫さんの真意は、語句通りではなかったとの話なども触れられたうえで、サービスを提供する=売る側と、サービスを受ける=買う側とは対等だという姿勢で臨んでいる事業者の例も挙げられ、最後に、相談先として、全国ネットも紹介されました。


 厚労省は「カスハラ対策企業マニュアル」で、カスハラについて、「顧客からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」と定義しています。そして番組でも触れられましたが、9月に改定された精神障害の労災認定基準において、「業務による心理的負荷評価表」における「具体的出来事」に、「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」が追加されました。このカスハラの内容は、典型的なサービス業における客との関係でだけでなく、取引先という企業間の関係とか、施設利用者という、医療・介護や、公共施設の利用者との関係などでも問題になり、他のハラスメントとの整合性を図っているのかと思われますが、対象が広がっています。当ユニオンでも、これらの業種で働いている組合員も多いので、先の番組で知ったことも含め、参考になりました。


 また、労災では、上記の「心理的負荷」が「強」であることが前提になりますが、これに関連することは番組でも言われていましたが、具体例としては、「治療を要する暴行を受けた」とか「反復・継続」した暴行やひどい言動や迷惑行為、「中」程度の迷惑行為でも会社の対応が適切でなく改善がされなかった、などが挙げられています。加害のひどさやくどさが労働者をどれだけ傷つけ精神障害を発症させたか、会社の対応はどうだったか、ということなどが、カスハラでも問題になるようです。


 日本はおもてなしの国で便利で・・とかと言われますが、そこで「お客様」「患者様」「利用者様」に過剰に対応するばかりでなく、理不尽な加害を受けることへのがまんまでますます強いられるようでは、労働者はたまったものではなく、やめざるを得ない労働者も増えていくでしょう。こうした現実に対して、12月16日(土)午後1時から、「精神疾患の労災認定について」をテーマにユニオン学習会を行いますが、ここで学んでいくこともステップにして、ユニオンも取り組んでいきたいと思います。


 



 


 



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第一回ユニオンセミナー・外国人労働者組織化学習会・第6回運営委員会

 11月11日(土)午後2時より、ユニオン事務所+Zoomにて、第一回ユニオンセミナーを開催しました。10数名の参加で、賑やかに行うことができました。


 このユニオンセミナーは、毎年開催していますが、今年は組合活動、特に相談活動に一定かかわる組合員が増えることをめざして、3回開催を予定しています。今回は「労働相談を知ろう」と題して行いました。まず相談活動の現状を紹介した後、相談を実際どうやるかについて、どういう点を重視してやるかを考え合ったうえで、実際に相談をする側と相談を受ける側とを決めてロールプレイングを実演してみて、イメージをつかむようにしました。参加者は皆興味深く学ぶことができ、2時間近くでしたが、充実したセミナーとなりました。


 続いて午後4時から、外国人組織化学習会を行いました。これは外国人(ブラジル人)のユニオン活動を支えられる運営委員をめざして、とりあえず運営委員会内で学習会をしているのですが、今回は参加できなかったメンバーもいたため、佐藤副委員長が、ブラジル人の相談活動をしている現状の報告や、最終局面にさしかかっている浅賀井製作所裁判の報告を行うのが、中心になりました。佐藤副委員長の相談では最近労災問題が増えているとか、事務所で受けている相談とはまた違った傾向があることがわかったり、裁判の前進を喜び合えるなど、運営委員同士の交流も深めることができました。


 そして午後6時からは第6回運営委員会を開催しました。今回はそれほど議論が長引くような事柄がなく、いつもよりは早めに終わりましたが、各活動の報告・確認・今後について検討していく中で、多忙な活動を一定調整していく必要があることも課題として浮かびあがりつつあるようです。種々の制約条件もある中で、しかし今回組合員の自主企画としてパレスチナ問題学習会(18日午後1時から)を事務所で行うことが承認されたように、社会的な問題もますます多様に深刻に起こってきている中で、また組合員全体でユニオン活動を進めていく姿勢も持ちながら、どうしていくかと考えると、先の相談活動の充実化という重要な問題を合わせて、どうユニオン活動を進めていくか。運営委員も知恵を絞っていかないといけないですが、組合員全体で、ユニオンを盛りあげていきましょう。


<追記>運営委員会で確認した種々のユニオンの取り組みの予定をお知らせします。(Zoomを含む場合あり)

  

  11月18日(土)18:00 豊橋学習会    豊橋カリオンビル 

  11月21日(火)8:00  県労働委員会の公明正大な任命を求める街宣 県庁付近

     25(土)・26日(日) 全国交流集会   熊本 

  12月1日(金)17:00  お茶会交流会   ユニオン事務所(上の階)

     2日(土)14:00  交渉ミーティング ユニオン事務所

     6日(水)18:30  組織強化会議(第一回)ユニオン事務所+Zoom

     9日(土)18:00  第7回運営委員会 ユニオン事務所

    16日(土)13:00  ユニオン学習会(精神障害の労災認定基準) ユニオン事務所  

    28日(木)午前大掃除、29日(水)~1月4日(木)事務局休み

  1月13日(土)18:00  第8回運営委員会 ユニオン事務所


 その他も種々ありますので、よろしくお願いします。

           


    

 


   


 

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最低賃金周知・引き上げを求め宣伝行動

 11月9日(木)午後6時より、名駅東口にて、最低賃金の周知とさらなる引き上げを求める宣伝行動を行いました。一時間ほどでしたが、通行人も関心が一定あるようでした。


 この行動は全国ネットの一斉行動の一環で、全国ネットが取り組んでいる「最低賃金大幅引き上げキャンペーン」のチラシを配布し、横断幕を掲げて、リレートークを行うという取り組みでしたが、愛労連・愛知国民春闘共闘委員会が同所で午後6時15分より同様に最低賃金引き上げを訴える街頭宣伝をやるとの話があり、調整の結果、東海ネットの仲間である愛知ユニオンも加わって、共同した取り組みとして15分から45分まで行いました。


 この共同した取り組みは、全体は20名を超える参加で、当ユニオンも10名近い参加でしたが、「民間も公務も 正規も非正規も 賃金上げよう」などと書かれた横断幕を背にして、共催した各団体からリレートークを行いました。当ユニオンは並行して全国ネットの最賃引き上げを訴える横断幕と当ユニオンののぼりを掲げながら、上記のチラシを配布したのですが、他の方々は、ティッシュ配布・シール投票・署名なども行いました。立ち止まって話し込んだり、頑張ってとの声もあったり、チラシやティッシュの受け取りも比較的良く、往来する通行人は多いのですが、一定の成果はあったようでした。そして45分でいったん終了し、その後7時まで、当ユニオンは残ってのぼりと横断幕を掲げながらリレートークをして、この行動を終えました。


 最低賃金は10月から愛知県では1027円となりましたが、全国的には全国加重平均(1004円)を超えるのは1都2府4県に過ぎず、最賃額のランクで31位以下は、東京(1113円)より200円以上低いという格差があり、また総体として生活できる水準にはありません。全国一律1500円という私たちが掲げている目標は、生活できる賃金という意味では切実ですが、労働組合に労働者が広範に参加し、ストライキも含むような強い闘いを進めていかないと、なかなか困難な面があります。今回のような労働組合の取り組みを進め、またユニオン内でも議論や取り組みを進めて、実現をめざしていきましょう。




















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