SSブログ

コミュニティユニオン東海ネット学習・交流合宿を実現

 コミュニティユニオン東海ネットワークは、昨日(29日)と本日(30日)の二日間の日程で、三重県長島にて、学習・交流合宿を開催しました。毎年開催され、今年で9回目を迎えるこの合宿には、東海地方の各ユニオン・団体や、他地方のユニオン、協力的な研究者の方を合わせ、50名を超える方が参加し、活発に学習と交流をしました。私たちのユニオンからも10名を超える参加者で臨みました。

 第一日目は、午後から開始しました。「交流を充分行なうとともに、状況はいつも厳しいがいかに闘いをつくっていくかを考えよう」との代表挨拶を受けた後、まず、毛利一平三重大学准教授が、労災・職業病を防止する取り組みについての報告をされました。具体的には、「参加型アプローチによる産業安全保健活動」として、8か国からの外国人労働者が働く小規模事業所で、労働者自らが労働環境を安全なものに変えて、労災を無くした事例を紹介していただいたのですが、わずかな時間で数々の改善策を実行していけたことに感心させられました。また質疑では、福島での原発事故処理作業や除染作業や、各ユニオンでの労災事故の取り組み、経営側の追求との関連、メンタルヘルス面での事例、などの話も出て、行政やNPOなども含めての関わりの中で、労働組合が労災問題により取り組んでいく必要さを改めて確認しました。

 続いて参加した各団体からの活動紹介を受けたのですが、5分間との制限時間で語り尽くせないとばかりにそれぞれが語り、また質問・意見も交わすことによって、生きた交流が実現できたのではないかと思いました。そしてその各団体の取り組みを知ったうえで、続いて、改正労働契約法の活用についての自由討論を行ないました。有期契約を5年間更新を続けたら無期に転換する道が開けるとの法改正をどう生かすか、とのテーマなのですが、活発な意見交流によって、5年を待たずに雇い止めを図ろうとする経営側の追求や、すでに5年経っているのだから今すぐ無期転換を、と訴えるユニオンからの追求なども合わせ、法改正をも手段にした労働組合の運動こそが大切だと改めて確認できたと思いました。

 その後、帰った方もいましたが、残った方は、夕食を、参加者の自己紹介や歓談をし合いながらいただきました。一部の方は場を変えて引き続き二次会を行ない、さらに交流を深めました。

 第二日目は、温泉に入ってぐっすり眠った方も、寝不足で翌朝温泉で眠気を払った方もいましたが、朝食の後、再開しました。まず情勢報告を岡本全国ネット事務局長から受けました。岡本さんは、安倍政権の成長戦略の一環として、労働者に対して「ジョブ型正社員」制度の導入など、労働分野での規制緩和を掲げての種々の政策が打ち出された件について、その危険性を詳しく明らかにし、また、全国での数々の取り組みについても紹介しました。質疑でも取り組みの重要性が種々語られ、全国ネットをはじめ、諸団体と連携しつつ、全国的な大きな運動の創造をめざしていくことを確認しました。

 次に公開講座として、熊沢誠甲南大学名誉教授が、「ユニオンの現在とこれから」と題して話されました。熊沢さんは、今年発刊された『労働組合運動とは何か―絆のある働き方をもとめて』を引きつつ、コミュニティユニオンの現在的意義と今後に関しての話を中心に熱弁をふるわれました。熊沢さんは、正規・非正規を合わせ、労働者がおかれている現状のあまりの酷さと、それを、個人の自己責任に帰していく経営側の追求への怒りを込めながら、この現状には、企業内組合中心の現在の労働組合運動にも、コミュニティユニオンの現在的意義もありながらも、責任があることを、提起しました。そして、階級としての労働者の中にも、「労働社会」を基盤にした多様性があり、そのうえでの多様な労働組合が成立するのであり、コミュニティユニオンもまたそうであるとの理論を示しました。そして、理論より現実の方がより重いことをふまえて、コミュニティユニオンの意義にもかかわらずそれを実現するには直面する現実の困難さもあることを押さえたうえで、今後の労働組合とその運動がめざすべき方向を提示しましたが、そのあたりで時間が来てしまい、最後は端折ったかたちになってしまったのは残念でした。しかし、質疑応答も含め、コミュニティユニオンに熱い共感を抱いて、共に歩みつつ、研究も進めて来られたことが伝わってきて、大いに励まされる思いがしました。

 最後にまとめとして代表が合宿が内容豊かに実現できたこと、今度の取り組みを訴え、また各団体からも、今後東海ネットとして、全国の闘いとも連携しながら、協力して取り組んでいくことが訴えられ、終了しました。それぞれ帰途につきましたが、今後がんばっていこうという気に改めてさせられた合宿でした。私たちのユニオンでは、通常活動の他、最近不当な対応をする相手企業への抗議行動にもとりくみ、また今後についても、安倍政権の労働分野での規制緩和政策などに対しては、8月3日に公開学習会で、その問題性を明らかにし、私たち自身も学んでいきたいと思いますが、そればかりでなく、通常の活動に加え、種々の取り組みも、今後がんばっていかねばと思います。その励ましを、集まった方々から受けたことも成果にし、今後もがんばっていきましょう。参加した皆さん、お疲れ様でした。

 


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0