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非正規公務員問題の集会に参加して

 1月12日(木)午後6時半より、非正規労働者の権利実現全国会議が主催した、非正規公務員問題を採りあげたオンライン集会に参加しました。この集会については筆者は当ユニオンの公式ツイッターで知りましたが、非正規公務員問題については全国交流集会などでも学んできていることもあって、ユニオンとしての参加ではありませんが、この場をお借りして感想を述べさせていただきます。


 集会の前半は、「会計年度職員が支える地方自治体の行政サービス~しかしその待遇は?~」と題し、講師として、白石孝さん(NPO法人官製ワーキングプア研究会理事長)と、非正規公務員カフェを主催している当事者の方が話され、後半は「国における偽装請負は労働者派遣法で解決できるか~大阪医療刑務所事件~」と題し、講師として、小野順子弁護士と、原告の方が話されました。ここでは主に前半の講演について触れます。


 白石さんは、この問題に詳しい、パイオニアとも言うべき方として有名ですが、ご自身、労働組合で闘ってきた経験もあって、この問題の解決には労働組合運動が大事、と言っていたのが印象的でした。ただ、それには留保があって、非正規公務員問題に労働組合は必ずしも積極的に取り組んでいないという問題と、公務員労働者の労働の特質として、行政サービスに携わっており、非正規公務員は、国民・住民と、最前線で接している、という意味でも、住民や、地方議員などに問題を共有してもらうような働きかけが必要、という問題とがあるとされていたところに、一筋縄ではいかないところを感じました。また、以前に比べれば、マスメディアなどで採りあげられる機会が以前に比べ増えてきたことにも触れながらも、まだまだだ、という大変さもにじませていた気がしました。また、非正規公務員の多くが女性ということで、ジェンダー問題でもある、という点も、この問題の根深さを感じました。


 また、当事者の発言(後半の原告の方も含め)を聞いて、「身分」という言葉も使われることに、さらに深刻さを感じさせられました。正規公務員との別扱い、正規公務員からのパワハラ、それに対しての非正規公務員の中でも対し方に違いが生まれ、物を言うと孤立してしまうような状況、それが、仕事への責任感や献身や能力向上などが求められ、また自身もそう思っているという仕事の性格とも重なって、不条理さが重なっているという気がしました。


 民間の非正規労働者である筆者自身も、以前は、公務員というと、失業はないし、給料も高いし、というようなイメージがあったのですが、この「官製ワーキングプア」問題を知ってからも、そのイメージが残っていなかったかと思うと、また、これほどの大変さの中で格闘していることをわかっていたかというと、そうでもない、と思わせられました。筆者の仕事は能力向上とはほとんど関係ないし、給料も安いとはいえ、非正規公務員の方と大差ないほどだし、正社員との、また元請けとの、「身分差」とすら思えるような面もなくはないとはいえ公務職場ほどの強固な違いはないし、というようなことを考えると、筆者はまだまだ楽なのかと思わされたりしました。その免罪としてこの問題に関心を持っているという面もなくはないのですが、そうした自分との違いと、非正規とか、労働者とかいう意味での同一性とか、そうしたことにも考えを広げながら、こうした問題の打開のために、当ユニオンの一員として、がんばろうと、思わされた次第です。

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