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東海労働弁護団第54回総会に参加

 本日(24日)、名駅近くのウインクあいちにて、東海労働弁護団の第54回総会が開かれました。労働者の利益を実現するために奮闘し、私たちのユニオンにも裁判などで協力していただいている弁護士の方々が参加しているこの東海労働弁護団の総会は、毎年開かれ、ユニオン関係者も参加させていただいています。今回は総会記念企画として、ブラック企業の問題を社会に広く明らかにしてきたPOSSE代表の今野晴貴さんを講師にお招きしたこともあって、私たちのユニオンも含め、多数の参加者による活発な総会となりました。

 総会の前半は総会の議事が行われました。安倍政権が多方面にわたり労働分野での規制緩和を進めつつある状況の報告とともに、活動報告や事件報告が行われ、厳しい中でも、安倍政権の追求の軌道修正を余儀なくさせ、東海三県での取り組みも前進しつつあること、などが紹介されました。特に、臨時国会が開会し、その後に通常国会を控えているという状況の下で、派遣法再改正が最初に問題になってくるだろうという提起や、社会保険庁の分限免職の一部取り消しをかちとったり、労働問題とも関連している生活保護の基準引き下げに対して反対する取り組みをすすめたり、ブラック企業問題のホットラインで多くの相談が寄せられたり、などの報告には、私たちのユニオンの取り組みとも重なる問題でもあり、がんばっていこうという気にさせられました。最後に総会議案を採択して、前半は終了しました。

 休憩後、総会記念企画として、「ブラック企業から見た日本社会」と題した講演が行われました。講師のNPO法人BPOSSE代表の今野晴貴さんは、ブラック企業の実情を詳しく紹介したうえで、必要な対策は何かについて提示しました。ブラック企業の実情については、若者論の問題であるかのように言われてきたが、そうではなく企業の労務管理の問題に関係しているとして、若者を正社員として大量採用するが大量退職に追い込んでいき、それを当然のように進めていく新興大企業をブラック企業と言い得るとしました。そしてそれが、日本型雇用における企業の厳しい指揮命令のうえで正社員となった若者を使いつぶしていく企業と、それに対応できない労組という構造におかれており、その弊害は政府が問題にするほどにまでなっていることを指摘しました。そのうえで、対策として、限定正社員戦略などを提示しました。

 講演後質疑応答がありましたが、限定正社員の問題については、政府の言うそれとは全然違うことを強調したり、「新時代の『日本的経営』」との関係については、日本型雇用の負の面を温存し、労使関係を前提としたそれと、労使関係がが無秩序化しているブラック企業とは、異なっている、としたり、などの回答で、今野さんの主張がより明確になった気がしました。その他、活発な質疑応答が繰り返され、予定時間を若干超えるほどでした。

 以上で総会は終了しました。盛りだくさんで、難しいところもありましたが、この総会で学んだことも生かしつつ、ともに協力しながらユニオンもがんばっていきたいと思わされました。