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各職場分会について

 現在私たちのユニオンには、10数か所の会社で職場分会が結成されています。一般的なパターンとしては、低賃金・賃金格差・パワハラ・解雇などの問題に直面していることが出発点となり、複数の社員で分会を組織し、会社に対して要求をまとめて団体交渉をし、特に解雇などの問題の重要性や、会社が不誠実な対応をしたりした場合には、会社付近などで宣伝行動もしたり、ネットなどでの広報活動を活発にしたりして、広く会社内外で問題を伝え、交渉を有効な形で進めようとします。そこで要求が実現できれば良いのですが、会社が要求に応じないばかりか、分会に対して不当労働行為をしてきた場合などでは、行政的な手段として、裁判や労働委員会にも取り組むように進む場合もあります(裁判は三審制、労働委員会は労働委員会は二審制ですが、労働委員会の命令は行政処分にとどまるため、裁判に持ち込めば、五審制,。また、裁判所や労働委員会の労働者への姿勢にも問題がある、など、解決のためには苦労の多い闘いにはなります)。また、春闘など、交渉を並行して続ける追求もします。少なくとも、労使がそれぞれの主張を対等にしつつ、真摯な話し合いで、問題を打開しようという関係をつくりだせれば良いのですが。

 

 こういう取り組みを進めてきている各職場分会の仲間たちが、定期大会では数多く参加してくれ、会場でそれぞれ紹介しました。また参加できなかった職場分会も含め、報告文を配布しもしました。そこでの報告などを基に、ここで主要な各分会の現状の報告をします。


日本人分会では、

 日興サービス(名古屋市港区):派遣会社で、日本貨物検数協会を派遣先としている。名古屋港に関係する貨物を扱う仕事。派遣先との「同一労働同一賃金」実現・分会員の仕事上での不当な扱いの是正、を求めての交渉を続けつつも、組合差別が続いているため、不当労働行為をめぐっての労働委員会での闘いも続けている。愛知県労働委は不当労働行為を認定した救済命令を出したが、会社側が中央労働委に申し立て、両社に対し係争中。(追記:また、5月16日、誠実交渉義務違反、分会員2名について派遣就労を拒否し・他の派遣先も紹介せず・わずかな休業手当しか払わない状態を1年以上継続している・ことによる未払い賃金、を問題にして、名地裁に提訴。)


 竹屋(春日井市):パチンコ機器関係の仕事。社員の不当な扱いを是正するよう交渉を始めたが、会社が不誠実な対応をするため、社付近での宣伝行動も実施した。が、分会員への不当な扱いは激しくなり、不当労働行為として愛知県労働委員会に救済申し立てを行い、救済命令が出されたにもかかわらず、会社は取リ消しを求めて県を訴えるが、名地裁は請求を棄却。他方で、未払い賃金支払いを求める裁判(名地裁)、また会社の対応の改善を求めての交渉も継続中。


 三和清掃(小牧市):廃棄物処理関係の仕事。不払い残業是正などを掲げて交渉を始めたが、会社の不当な組合介入がなされたため、県労働委に救済申し立てを行い、救済命令が出されたが、会社は中央労働委に再審査を申し立てた。が、未払い残業代の支払いを求めた裁判では組合の要求実現の方向での和解(名地裁)を実現し、団交でも会社の対応が好転するなど、労使関係が改善されつつある。(中央労働委でも、5月23日、同様に組合・分会の要求実現の方向での和解を実現。組合脱退勧奨・この問題での団交拒否について、会社が謝罪し、団交における誠実交渉義務を明示した内容。なお、4月3日に会社付近で宣伝鼓動を実施)                                    


南米人では、


 碧海工機(西尾市):自動車部品製造の仕事。契約社員である外国人の大規模な雇い止め問題が発生し、多くの南米人が組合加入。交渉・会社前の宣伝行動などで、5年を超えて契約を更新している分会員は雇用継続をかちとったが、未満の組合員は雇い止めは撤回されず、名地裁で提訴し、県労働委員会にも申し立てたが、裁判所で職場復帰を含む和解を実現でき、労働委でも和解。雇用継続をかちとった分会は、「同一労働同一賃金」をめざしての交渉を進め、賞与の初めての獲得や、基本給の増額をかちとり、現在春闘交渉を継続中。


 ヒサダ(安城市):自動車部品製造の仕事。契約社員の南米人の無期雇用転換や「同一労働同一賃金」獲得要求などを掲げ団交を進めるが、不当労働行為もあり、会社前の宣伝行動も実施した。その後、分会員に対して個人単位での雇い止め・パワハラ・労災などをめぐって裁判・団交を断続的に続けてきた。今年は分会として春闘要求を掲げての団交を開始しようとしている。(追記:6月14日、団交を実施)


 浅賀井製作所(安城市):自動車部品製造の仕事。準社員・契約社員である南米人の「同一労働同一賃金」実現(差別賃金分請求、その後退職金に関しても)を掲げ、定年後の賃下げ問題なども含めての団交後、裁判も提訴(名地裁)し、裁判・団交を継続中。途中から関連会社エィ・エス機工の労働者も分会に参加し、同様な要求での団交後、裁判を開始、継続中。


 興和工業所(名古屋市瑞穂区):めっき加工関連の仕事。契約社員である南米人の労働条件・解雇問題を抱えてきている。無期転換した後、正社員には払われる退職金が払われないのは違法として裁判を開始。


 以上が裁判や労働委員会まで進んだ分会ですが、他に、日本人分会では、尾張交通(一宮市)・ニチハエンジニアリング(名古屋市港区、3月3日に会社付近で宣伝行動)・盟和精工(弥富市)が、労働条件改善を中心に交渉(準備も含む)を続けています。

 南米人分会では、宝工業所(刈谷市)・近藤工業(豊田市)でも労働条件改善をめざす交渉(準備も含む)を続けています。

 その他の分会は、過去交渉や裁判で、一定の成果を実現したうえで、職場で仕事に奮闘しつつ、分会組織を維持しています。今後、分会拡大の追求と共に、何か課題があれば、交渉申し入れなどの取り組みも再開するでしょう。


 それぞれの職場分会の奮闘と、相互交流促進をめざして、今後も、がんばっていきましょう。




 







 


 




 


 


 


 


 


 

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第25回定期大会、成功する

 5月14日(日)午前10時より、刈谷市産業振興センターにて、第25回定期大会を開催しました。60名規模の参加で、ユニオンの前期の活動をふまえたうえで、今期の活動方針・予算・役員などを決定し、成功しました。


 最初に司会が、開会宣言の後、コロナがなお収束しない中で、ポルトガル語通訳も交えながらという条件下での開催という事情説明をした後、議長等を選出し、最初に鶴丸委員長があいさつを述べました。続いて私たちが参加するコミュニティ・ユニオン全国ネットワークの会計担当の塚原久雄さん(武庫川ユニオン書記長)から、連帯のあいさつをしていただきました。(なお、大会に寄せていただいた、各ユニオン・その他の諸団体・個人の方々の、35通ほどのメッセージは、文書や掲示でのご紹介とさせていただきました)続いて資格審査として、選挙管理委員会が実出席60名弱・200名強の委任状により、過半数で大会が成立していることを報告し、そのうえで、大会議案に沿っての議事を進めました。


 まず議案の経過報告として、前期の活動の経過報告を行い、次いで今期の方針の提案を行い、続いて会計報告(前期の決算報告)と今期の予算提起を行いました。時々で数名の組合員から質問・意見が出され、運営委員が回答し、確認・承認しました。


 次いで規約改正案(金銭的解決に伴う組合への配分に関して)と細目に関する確認事項を提案し、次いで年間ストライキ権の行使に関する決議案(状況に応じて迅速にストライキ権を行使できる条件を確保するため)を提案しました。前者については、今回、新たな内容での提案ということもあり、数名の組合員から質問が出ました。続いて役員(運営委員)選挙に移りました。今回は、定員数ちょうどの立候補者があり、信任というかたちでの選挙となりました。


 次いで、上記の規約改正案とスト権決議案と役員選挙に関する投票に移りました。投票後、集計作業の合間に、参加者の多数を占める各職場分会員を、分会単位でそれぞれ紹介し、職場内外での、闘いの紹介・相互交流の促進を図りました。


 そして集計結果の報告が選挙管理委員会からあり、上記の案が承認され、また役員も全員信任されました。そして選出された、新任を含む新運営委員会の面々が壇上にあがり、代表で、再任された鶴丸委員長が、運営委員会を組合員皆で支えてほしいと呼びかけるあいさつをして、大会議事を終了しました。


 その後、自由参加で(といっても、予定時間を超過していたにもかかわらずほとんどの組合員が残って)、組合員限定公開の動画(顔出しNG?の方々がいたせい?内容のリアル度が高かったせい?)を上映し、またその後、帰り際に会場の部屋の外のフロアでの「あいち総がかり行動」の署名も帰り際に多くの組合員が応じ、こうして大会は無事終了しました。その後もフロアで交流の輪ができる中で、並行して片づけを済ませ、午後1時過ぎ、新運営委員会の最初の会議日程を確認し、無事、終了しました。その後、以前の大会のように、会場での飲食を交えた交流はなおできないコロナ下なので、昼食を兼ねての非公式な希望者による交流会もして、新たな出発に備えました。なお、その後も、事務所に戻って、片づけや次のユニオン活動の準備をした方もいました。


 というわけで、体調不良で参加できなかった役員もいたという年一回の大イベント(なんですね、これが)の定期大会も、無事、終了しました。大会成功のためにご協力いただいたすべての皆さんに、お礼申し上げます。新たなユニオンの取り組みを、進めていきましょう。





 







 


 

 








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今期のユニオン学習会について

 5月13日(土)午後、学習会担当会議を開きました。これは、今期のユニオン学習会を定期大会後開催するにあたって、学習会を運営するために、開催しました。正式には大会後に召集する方が良いのでしょうが、その前にその時点での担当者で、試案を作成しておこうと、大会直前に行いました。14日の大会でユニオン全体での方針などが決定しましたので、それにのっとり、この会議での試案を皆さんにお知らせし、今後の議論を経ての決定・実行に生かしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。(なお当ユニオンでは、各種分野の担当者(各運営委員を中心にした)による担当者会議を適宜開催して運営しており、本来その会議全体を紹介すべきですが、今回、学習会という、大上段に言うとユニオン活動全般を視野に入れた活動という関係上、この記事を掲載させていただきました。ご了承ください。なお、名古屋での学習会に即して、豊橋学習会も適宜開催していきます)


 まず運営としては、前期の学習会の反省にふまえ、ユニオンの活動全体をすすめていくために、なるべく定例開催をしていくように、毎月第四土曜日開催を基本にしていくようにしていこうとのスケジュール設定を確認したうえで、労働者が直面する状況を概観し、


 第1回 転職と職業訓練について         6月24日(土)13時

 第2回 平和問題(広島)加害と被害⇒平和主義  7月22日(土)13時

 第3回 賃金の底上げをどう実現するのか?    9月23日(土)13時

 第4回 定年と定年後再雇用          10月28日(土)13時

 (これ以降は改めて打ち合わせる)

 という試案を練りました。

 

 この試案をネタに、今後、学習会を運営していく準備を進めていきますので、皆さんの積極的なご協力をお願いします。今期もユニオン学習会をよろしくお願いします。

 




 


 


 


 


 

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