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韓国ワイパー労組の日本遠征闘争を支援(3)

 前々日・前日に続き、東海ネットらは、韓国ワイパー労組の日本遠征闘争を支援しました。6月14日(水)は、午前はトヨタ株主総会に対しての取り組み、午後は記者会見を行いました。前半は最大20名規模(新豊田駅前での行動をともに行った東海ネットの仲間である「フィリピントヨタ労組を支援する愛知の会」の方を含む)、記者会見は10名規模(記者を除く)が参加し、当ユニオンは前半は5名規模、後半は数名が参加しました。


 前半はトヨタ本社(豊田市)で開催されるトヨタ株主総会に向けての行動でした。最初は、トヨタ株主総会に向かうバスが出て、多くの株主が通る名鉄新豊田駅前で、宣伝行動を行いました。上記の「愛知の会」が、大量解雇攻撃を行って以降も20年以上も争議解決を遅らせているトヨタに抗議してフィリピントヨタ労組を支援することを呼びかけるチラシを入れたティッシュを株主らに配布するのと、並んでの行動でした。


 7時40分、「デンソーの最大株主であるトヨタ自動車は、韓国ワイパー従業員を全員解雇したデンソーに対し責任ある態度を講じる必要があります」「デンソーの最大株主であるトヨタ自動車は、デンソーのようなひどい資本と絶対取引すべきではない」との内容の2枚の横断幕を掲げながら、総会に参加する株主を主な対象として、チラシを配布し、訴えも始めました。8時まではマイクは控えることになっているそうで、肉声で行いましたが、8時にはマイク使用に変えました。訴えは、ワイパー労組の仲間、支援する日本人の仲間それぞれが行ったのですが、特にワイパー労組の仲間は、解雇によって生活が壊されたことを考えてほしいと株主に訴える内容などでした。チラシの受け取りは良く、トヨタが最大株主となっているデンソーが、韓国ワイパーの偽装清算・解雇・労組つぶしを行っていることを知り、それに対してトヨタが介入するようにしてほしいとの訴えを、株主の立場で考えさせられたようでした。


 新豊田駅前での宣伝行動は、午前9時で終わり、ティッシュ配布を続ける上記「愛知の会」と別れて、株主総会の主会場であるトヨタ本社に移動しました。9時40分に到着しましたが、これまでの私たちの行動の時のような、多数の警備員が前面に立っているというような物々しさはありませんでした。そこで、前日、トヨタ名古屋オフィスでは受け取りを拒否された要請書を渡したいと申し入れたところ、ワイパー労組と東海ネットの代表者と通訳の3名が、社内に入ることができました。その間他の参加者は本社前で待機していたのですが、10時10分に代表団が戻ってきました。聞けば、要請書は受け取ってもらえたそうです。社長宛で、社長に渡すよう申し入れたら、「しかるべき部署に渡す」との返答だったそうで、私たちの追求が一歩前進したと確認できました。また、新聞記者の方も取材に来られ、応対もしました。


 10時30分になり、横断幕を掲げ、マイクでの訴えを行いました。もう総会は始まっていたので、会場入口などにいるトヨタ社員や、会場入口にカメラを向けたりしているマスコミの方々などに向け、私たちがなぜ株主総会会場の外でこうした宣伝行動をしているのかを、訴えました。東海ネットを代表して、韓国ワイパーがデンソーの子会社で株主であるデンソーコリアへ納品する品物の価格を決めるのはデンソーだが、それは原価割れになる価格であり、これが会社清算の口実とされている「赤字」の内実だと、デンソーのひどさを訴える発言がされ、またワイパー労組の各参加者もそれぞれ、日常が突然奪われた悔しさを訴えかけたりし、最後にワイパー労組の代表者が、門前払いをしなかったトヨタに感謝すると述べ、最後に横断幕を手に皆でコールをして、10時50分に終了しました。(追記:なお、報道によれば、今年の株主総会は、昨年の約930人から大幅に参加者が増え、約3800人が参加されたそうです。多くの株主にこの事態を知っていただいたので、良い影響があることを期待したいです)


 これで午前の行動を終え、名古屋へ移動しました。後半は、愛知県庁県政記者クラブでの記者会見でした。午後2時、長い横断幕2枚のうちの1枚を背に、ワイパー労組の各メンバーと、通訳(日ごとに日本人の支援者の通訳が交代で参加してきているのですが)と、東海ネットの代表者と、司会(いずれも当ユニオン)とが前で着席し、マスコミ5社の記者や、ユーチューブ配信をするメンバーと、この遠征闘争を専属でビデオ撮影し続けているメンバーと、当ユニオン員と、交代のために来た日本人の通訳の方とが向かい合うというかたちで、進めました。最初に前に着席している人の自己紹介をした後、韓国ワイパー労組を代表して事務部長が、この日本遠征闘争の概要説明を行いました。続いて各メンバーが、なぜこの闘争に参加しているかの切実な思いを、それぞれ語り、また事務部長は、日本遠征闘争は3回とも参加しているが、韓国では決定権がないと言われて日本に来てみたら、毎回面会さえ断られ続けているという、親会社デンソーの無責任ぶりも併せて語りました。その後記者からの質問に移りましたが、事態の詳細について熱心に質問する記者の方が複数おられました。そして東海ネットの代表者が、外国人だからと会社は切り捨てているが私たちにとって外国人の問題だからと他人事で済ませることはできないことを問いかけてほしいと訴え、また最後にワイパー労組事務部長が、この会社清算は労組つぶしのためと訴えて、1時間の記者会見を終えました。


 これで行動は終えましたが、記者会見と同時並行で、韓国では5者協議(労働組合・日本デンソーシステムズ・デンソーコリア・韓国ワイパー・雇用労働部)が開かれました。しかし、根本解決までには至らなかったとのことです。来る20日にはデンソーの株主総会が開かれますが、早期解決をかちとるため、がんばりましょう。ご支援、よろしくお願いします。最初の宣伝行動は小雨の中でしたが、その後は何とか曇り空でした。とはいえ、梅雨の、しかも愛知ならではの湿気で、異国の地としては大変な中、奮闘し続ける皆さん、お疲れ様でした。


<追記(15日)>本日の『中日』県内版に、上記の記者会見を報じた記事が開催されているので、ご覧になった方も多いかと思います。本日朝は、韓国ワイパー労組は刈谷駅前・デンソー本社前で、宣伝行動を行いました。東海ネットからは自主参加としましたが、鶴丸委員長は参加して、チラシの受け取りが良かった、本社前では軽快な音楽を流しながらの宣伝だったとのことです(昨日も、新豊田駅前での宣伝の際には、軽快な音楽も流しました)。また午後は、16時から、名古屋駅前の、トヨタ名古屋オフィスの入ったビル(ミッドランドスクエア)付近で、1時間ほど宣伝行動を行いました。当ユニオン員ら日本人の支援者も自主参加し、横断幕を掲げながら、チラシ配布を行いました。


 他にも、事務所に他のマスコミからの取材があったり、このブログ(文字ばかりという水準もあり、閲覧数が世間並みとはいかないのですが)も通常より閲覧数が上昇していたりなど、社会的にもじわじわと問題の重要さが浸透しつつあるようです。韓国の仲間はまだまだ滞在して奮闘するとのことですので、日本にいる私たちも、支援を続けていきましょう。社会的にも事態について広め、解雇を許さない闘いを広げていきましょう。





 


 

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