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韓国ワイパー労組の日本遠征闘争を支援(2)

 6月13日(火)も、韓国ワイパー労組の日本支援闘争を、前日に続き行いました。この日は前日と打って変わって晴天となり、10数名の規模で、元気に行うことができました。うち当ユニオンからは、半数規模で参加しました。


 午前8時、JRと名鉄それぞれを使用したり、連絡通路を使用したりという労働者でごったがえす刈谷駅入口で、2枚の横断幕を掲げ、サイレントスタンディングを行いました。韓国ワイパー労組の仲間はオレンジ色のチョッキを着用し、前日の青と、この日初めての濃い青の横断幕も、色文字と共に、よく目立っていました。特に横断幕は、その内容もあって、行き交う労働者・市民の注目を集めました。デンソーへ出勤するらしき労働者も、昨日に続く登場に、多くが注目していました。


 午前8時半、デンソーに出勤する労働者と並びながら、徒歩でデンソー本社前に移動しました。多くの警備員が入口の門を固め、何としても入場させまいと、社員に「社員証を提示してください」と呼びかけるというひどい対応の中、私たちは横断幕を掲げて、前日に続き、要請書を渡そうとしましたが、警備員は聞く耳も持ちません。警備員とのやりとりを続けつつ、他方マイクで、続々と出勤するデンソー労働者に対して、韓国ワイパー労組の仲間、日本人、かわるがわる訴えました。「なぜデンソーの仕事をしてきた私たちの要請を聞かないのか」「デンソーが家族のような私たちデンソーの仕事をしてきた労働者を見捨てるのは何と恥ずかしいことか」「解雇は死を意味する」などの韓国ワイパーの仲間の発言や、当ユニオンの仲間の、デンソーは会社も労働者も無関係ではなく、社会的な責任もあるのに、こういう対応はひどいではないか、と呼びかけたりする発言が続き、またチラシも配布しました。チラシは、これもカラーの、目立つものなのですが、前日のように雨で濡れてしまうこともなく、受け取る労働者もちらほらいて、心強く感じました。しかしその合間で韓国ワイパー労組の仲間を中心に警備員とのやりとりは続き、だんだん険悪になりかけてきましたが、そんな雰囲気を変えるパフォーマンスを、ワイパー労組の仲間が門の前のスペースで始めました。明るい調子の歌を流しながら、ダンスを皆がそろって行いました。どうも韓国ワイパーの闘いを鼓舞する歌で、ダンスも動きが激しい今風で(皆若いのです)、日本のメーデーで歌われる「闘争歌」とも一味違う、ポップな調子で、こわばった態勢を続けてきていた警備員の面々も、一休み風で、少し緩んだ調子が垣間見えました。

 そんな硬軟交ったアクションを、最後は横断幕を皆で持って、韓国式のシュプレヒコールで締めて、10時前に要請行動を終えましたが、引き続き、参加者が丸くなって、順に感想を述べあいました。ワイパーの仲間は、不安があった仲間もいたようですが、闘う決意とともに、日本人の私たちに感謝する言葉などもありました。他方日本人の私たちも、韓国の仲間に学び元気をもらうことができた、国際連帯の重要さを学んだ、などとそれぞれ語り、互いに励まし合う交流ができました。こうして10時過ぎに解散して、行動を終えました。


 この日のデンソーに対する行動はこれで終えましたが、この日の新しい横断幕が「私たちは破局を望んでいません デンソー100周年株主総会を混乱の場にしたくない」との内容だったように、明るさを保っている韓国ワイパーの仲間も、ああいうデンソーの態度では、20日の株主総会も焦点に据えて、固い決意を秘めながら、闘い続けていると感じさせられました。あの歌とダンスも、24時間の工場居座りにまで至っている厳しい闘いを続けるための工夫でもあるのだろうと思うと、デンソーの態度を改めさせるために、労働者の団結を強め、社会的にも広げていくことを、今後も続けていくことを、改めて決意せざるを得ません。韓国ワイパーの仲間は、他の労組の支援を求めていますし、労組の皆さん、市民の皆さん、ご支援よろしくお願いします。皆さん、引き続きがんばりましょう。 





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韓国ワイパー労組の日本遠征闘争を支援(1)

 デンソーの孫会社である韓国ワイパーの労働組合が、解雇撤回を求めての闘いを、日本でも進めようと、2月に続き来日しました。この「第3次韓国ワイパー日本遠征闘争団」の闘いを、東海ネットに参加する各労組や支援者も、今回も支援し、ともに闘いを開始しました。6月12日(月)は、前半と後半と行動があり、最大20名規模で行いましたが、当ユニオンは他の活動との兼ね合いもあり、前半は5名、後半は3名が参加しました。


 韓国ワイパーでは、デンソーも参加して一昨年に締結された雇用安定協定が破棄され、昨年12月に韓国ワイパーが営業を終了したことに対し、「解雇を禁止する」との裁判所の判決が出されたりしました。にもかかわらず、3月にデンソーが清算手続きを進めるために設備搬出を暴力的に強行するなどしてきており、すでに半年にわたって24時間工場を守る闘いを続けたりしてきたワイパー労組に敵対的な態度を経営側は示してきて、これを打開するための交渉もデンソーの無責任な対応により決裂しました。こうした経営側の態度に韓国では社会的な規模で非難の声も高まっています。そして、この状況を何としても変えていくために、今回闘争団が訪日したのです。



 まず、6月12日(月)午前8時から、デンソー本社(刈谷市)前で、要請行動を行いました。掲げた2枚の横断幕は、第2次闘争団名義の「日本デンソーは、雇用合意書を履行せよ」に加え、第3次闘争団名義の「今回は私たちもただでは帰りません。韓国ワイパー事態が解決するまで闘争します!」という内容で、必死さが表されていました。そして申し入れを行おうとしましたが、警備員を多数立ちふさがらせ、申し入れ書の受け取りさえ「別会社のことだから」(!)と拒否する旨を、警備員に言わせるかたちで通告してきました。また、マイクでのアピールもかわるがわる行いつつ、ビラ配布も行いましたが、会社前で受け取る人はなかなかいないのではという危惧にもかかわらず、一定いたのは、心強い思いがしました。9時過ぎ、不当なデンソーの態度に抗議し、闘う意志を全体でシュプレヒコールを韓国スタイルで行い、終了しました。


 その後離れた場所で、休憩を兼ねて当面の行動の打ち合わせを行って、いったん解散しました。そして午後4時半から、デンソーの最大株主でもあるトヨタ自動車の、名古屋オフィス(名駅前、ミッドランドスクエアという大きなビルの上のフロアにある)へ、面談要請書を手に訪れました。しかし、ここでも、オフィス入口の警備員に言わせるかたちで、一切対応しないという態度でした。これに怒りを感じた参加者は、トヨタ自動車の株主総会の日である14日に、トヨタ自動車の株主総会に参加する株主に訴え、また記者会見も行い、社会的に大きく問題を明らかにせざるを得ないと通告して、午後5時すぎに退出しました。


 そしてビル外で、名駅前を行き交う多くの労働者・市民に対しても訴える、宣伝行動を行いました。横断幕を掲げ、闘争団も、日本人支援者も、かわるがわるマイクで発言しました。掲げた横断幕2枚は、デンソー向けの青色と異なり赤色で、トヨタ向けに今回第3次名義で作成したものでした。発言のうち争議団の、通訳を交えた韓国語での訴えは、解雇を許せない、デンソーもトヨタも無責任な態度をとるのはおかしい、私たち労働者は会社に頭を下げるばかりでなく堂々と闘い続ける、という、迫力ある発言でした。また、争議団の方も日本人もそれぞれ分かれてチラシを配ったのですが、注目を集める宣伝もあってか、受け取りは良かったです。争議団には初めて参加する方もおり、異国の経験という意味でも大変な面もあると思うのですが、元気良さには、学ばされる気もしました。


 初日の闘いはこうして終わりましたが、闘いは続きます。この日は大阪支店に対しても抗議行動が行われたそうです。14日には韓国での交渉もあり、そこで合意できれば良いのですが。ともあれ、がんばっていきましょう。いずれの行動も、雨天でもあり、大変でしたが、お疲れ様でした。


<追記(27日)>なお、正確には、派遣団の第一陣はすでに8日に訪日し、9日にはデンソー本社へ申し入れ行動を行い、その後派遣団の増員などがあったのですが、東海ネットが支援しての申し入れ行動は、12日が最初でした。念のため付記しておきます。




 

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