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働き方改革一括法勉強会に参加

 11月12日(月)午後6時半より、名古屋第一法律事務所会議室にて、労働法制改悪反対実行委員会主催の「働き方改革一括法勉強会」が、労働弁護士や労働組合の方々など30名規模の参加で開かれました。この労働法制改悪反対実行委員会には、コミュニティユニオン東海ネットワークも参加しているのですが、この東海ネットの事務局を務めている当ユニオンも、5名で参加してきました。


 この学習会は、全労働(全労働省労働組合)中央副委員長である森﨑巌さんが講師となって行なわれました。講演は、「働き方改革関連法」について、内容豊富に話していただきました。労働基準監督官など労働行政を担う方々で構成されている労働組合の役員の方らしく、労働法や労働行政に精通した立場でお話しされました。なかなか内容を紹介するのは難しいのですが、簡単な紹介をします。


 最初に、この関連法を、アベノミクス(経済政策)と関連づけました。アベノミクスで成長戦略が打ち出され、その実現を主導する経産省が、厚労省の抵抗を受けつつも、労働法制「改革」も主導してきた。その本丸は「労働市場制度改革」「労働時間制度改革」にある。しかし、アベノミクスが行き詰まり、社会政策的な観点の必要性も生まれてきたことを背景に、16年、アベノミクスの新たな、「分配」にも重点を置くような「政策転換」が行われ、そこで「働き方改革」も打ち出された。しかし、地金が変わったかというと疑問符がつく、と。


 そして次に、働き方改革について、諸項目を挙げたうえで、この改革の具体化として働き方改革関連法が成立したが、その内容として、労働政策総合推進法、長時間労働の是正・高度プロフェッショナル制度、同一労働同一賃金、に焦点を当てて紹介しました。労働政策総合推進法に関しては、労働基準法の上位に位置づけるようになっている問題や、「生産性の向上」という労働法にふさわしくない目的が謳われている問題、また、実施すべき施策として「多様な就労形態の普及」と、議論を進める前に「普及」と推進を謳っている問題や、労働基準監督官への規制が強まりかねない問題などを挙げました。また長時間労働の是正・高度プロフェッショナル制度に関しては、長時間労働の是正については、内容上問題点はあるにしろ、6か月は時間外労働は月45時間を超えることができないとしているのは規制が強いと言えるが、別個に休日労働が問題になる、という点や、そもそも労働時間の把握義務が、裁量労働制もそうだが、ないという点や、労働組合が活用できそうな点なども、紹介しました。また高度プロフェッショナル制度については、さまざまな点で問題点だらけであることを紹介しました。また同一労働同一賃金については、「均等・均衡待遇の確保」が謳われているが、そこで言われている「均等」や「均衡」とはどういう意味か、どう活用するか、に焦点を当てて紹介しました。


 最後に「あるべき労働法制の確立に向けて」として労働者の利益になるような規制強化の諸策を提起し、最後に「我々が主導する働き方改革を!」と訴えて、講演を終えました。


 その後質疑応答を行ないましたが、活発な質問が、当ユニオン員も含め次々と出ました。そして勉強会は8時過ぎに終了しましたが、その後の懇親会にも、当ユニオン員も参加して、交流も深めました。


 成立した「働き方改革関連法」は問題点が多いですが、労働組合としては、法の成立にふまえ、労働弁護士の皆さんなどとも協力し合いながら、今後も勉強しつつ、奮闘していこうと思います。新幹線で来てくださった森崎さん、参加した皆さん、お疲れさまでした。

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